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えっ?!白川郷の「合掌造り」がこんな近くにあるの!東部丘陵の自然の中 ❷(となりの瀬戸市)【長久手タイムズ】

茅葺きの切妻屋根の急勾配(手を合わせ合掌する形)の姿形が美しいと同時に迫力もあります。

合掌建築はどんな屋内空間、構造になっているのでしょうか。木造りの階段を上って2階に上がってこの目で直に見ることができます。

現在、白川郷と五箇山の合掌造りは、1995年にユネスコの世界遺産に登録されてますので移築できません。そんな世界遺産の家屋がなぜ尾張丘陵にあるのか。
1970年(昭和45年)、文化財保護法に基づいて国の史跡とされ、1976年に国の重要伝統的建造物保存地区に選定のですが、それより以前の1960年代初頭(昭和35年頃)、文化財保護法の対象にもなっていない時代のある一連の出来事がありました。

昭和20年代から地元の庄川流域の電源開発によるダム建設がはじまっていて、合掌造りのある近隣流域の幾つかの集落が水没していったのです。

ダム建設による水没と、離村する人や火災焼失もあり、大正13年に約300棟あった合掌建物は、昭和35年(1960年)頃には190棟ほどに激減。それを聞きつけた名古屋の洋裁学校・山田学園理事長 山田健市氏が、合掌造り1棟の尾張への移築を決断したとのことです。よってユネスコ世界遺産の建築物が現在に至るまでここにある訳です。

2階と3階部分にあたる日当たりの良い大きな窓から燦々と注ぐ陽光。現在は瀟洒なガラス窓になっています。

2階部分は現在フロアになっていて座り心地の良いソファが数客置いてあります。
今春、1階の和風喫茶が開業する頃には2階スペースの利用形態が決まってくるとのこと。企業の研修スペースなどとしての利用も企画される予定もあるとのこと。

屋内に剥き出しになっている合掌造りの構造。弓なりの太い梁は圧巻。

白川郷の代表的合掌造りの家屋・和田家の屋内

白川郷随一の広さ(1階面性110坪)を誇る合掌造り家屋として知られているのが和田家。国の重要文化財にも指定。江戸時代に名主、また番所役人として、ある時期に焔硝酸取引で栄えた和田家。格調高い建築様式が見ものとされています。和田家は屋内を内見可。
1971年、「白川郷荻町集落の自然環境を守る会」が全住民の総意で発足。地域内の資源を「売らない」「貸さない」「壊さない」の3原則が掲げられているとのことです。

飛騨白川村・合掌造りの屋根の葺き替え

白川郷合掌集落保存基金
集落内の住民の暮らしを守りながら景観保存の課題に取り組むため、全国からのご厚志で「旧白川郷合掌集落保存基金」を基に、「世界遺産白川郷合掌造り保存財団」が設立されています。現在、財団は基本財源の運用益を活用し必要事業費にあてていますが、現状、岐阜県の助成を得つつ緊縮した村の会計から捻出して対処している状況です。
一般社団法人・白川郷合掌造り保存財団のサイトへ<保存基金のご協力>

BACK to 合掌建築 – WOOD DESIGN PARK

かつて2階の広い空間(屋根裏)では、養蚕が行なわれていました。大きな窓(かつては障子窓)は養蚕に必要な光や風を取り込むためのもので、暮らしの必要性から工夫されたものだした。

柱と桁(けた)などの建物を支える「軸組」の迫力が手に取るように分かります。この軸組は地元の大工さんが伝統的な組み方で立ち上げるとのこと。
これに対する屋根を支える「小屋組」は集落の住民が協力してつくるとのこと。建物すべての構造が集落の慣習によってつくられています。

屋根の重さを柱に伝える「軸組」(チョンナバリという)は、山の傾斜で育った自然に曲がった樹木をあえて用いています。その自然な姿形は構造的だけでなく「意匠」としても存在感を見せています。

屋根を支える骨組み(小屋組)も間近で見れます! 

豪雪地帯なので雪の重みや風力に耐える構造でなくては数百年保つことはできません。
屋根を支える骨組みの小屋組にあたる叉首(さす)を三角形に開き屋根の急勾配をつくり出しています。
叉首の下端は挿し込んであるだけで強風からくるゆがみにも強くなっています。

春には桜が咲き誇り、合掌造りの家屋と日本美を共演します。

WOOD DESIGN PARKの川遊びエリアから合掌造りを眺望
フリーエリアの営業時間:10:00~17:00

Google Mapでは、目的地が瀬戸総合卸売市場になっていますが、合掌造り家屋のある場所は、瀬戸卸売市場から道路を隔てた反対側の、「WOOD DESIGN PARK」内に建っています。駐車場は、「WOOD DESIGN PARK」の駐車場をご利用できます。
WOOD DESIGN PARK 瀬戸 住所:愛知県瀬戸市南山口町730

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