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マックのオープニング大募集から、「最低賃金」を考えてみる【長久手タイムズ】

マクドナルド長久手打越店の4月19日グランドオープンの広告看板。オープニングスタッフ大募集!!の下、目についたのが、「オープン特別時給」だ。1,230円で、愛知県の時給の最低賃金が、1,027円(前年比:+41円)で、200円高い設定である(高校生〜一般も同じ。1,538円は夜10時以降の時給)。3カ月半近く、時給が200円高く設定され、以降は「通常時給」の1,030円に戻る。
マクドナルド長久手店(砂子交差点)は4月で新しい店舗「長久手打越店」に移転。

最低時給賃金の変遷を1980年、90年、2000年、2023年と比較しみてみました。ガラパゴス型の最低賃金として世界にも知れ渡り、翻って物価が驚くほど安い「観光大国」としてさらに拡張してゆく政策を発表しています。私たちの暮らしに密着している足元の最低賃金をあらためて確認しておきましょう。

2000年度の最低賃金トップ10
1位 東京 703円
2位 神奈川県 701円
3位 大阪府 699円
4位 愛知県 677円
5位 埼玉県 673円
5位 京都府  673円
7位 千葉県 672円
8位 兵庫県 671円
9位 静岡県 667円
10位 岐阜県 663円
10位 三重県 663円

2000年時点では最低賃金に限れば1位の東京都と4位の愛知県とはわずか26円差。そんな時代もあったのかと思えるほどである。10位の岐阜と三重ともわずか40円差で、青年が時給につられ東京に行ってみようかと思うことはほぼ無かったと記憶します。
なぜ急速に格差が開いていったか。大きな理由は、2001年春からはじまる小泉純一郎政権のアメリカが推し進めていったグローバリゼーションと市場経済システムの安易な礼賛なのだろう。これによって野党との対話を重んじていた本来の自民党が大きく変質し、失われた30年へ。安倍晋三氏亡き後の現在の岸田文雄政権のさまざまに禍根を残す危機的状況へとつながっていくことに。

1990年度の最低賃金トップ10
1位 東京 548円
2位 大阪府 547円
3位 神奈川県 545円
4位 愛知県 531円
5位 埼玉県 527円
5位 千葉県  527円
5位 京都府  527円
5位 兵庫県  527円
9位 静岡県 522円
10位 岐阜県 521円
10位 三重県 521円

1990年バブル絶頂の時、三大都市圏と10位の県との差は、最低賃金で比較すれば2000年時よりも差はなく、僅か10〜25円程の差でした。この時代、短期の主に力仕事のアルバイトなどで1日働くと実質的には、8,000〜12,000円(日給制)くらいだったので、単純に最低賃金で計算されていた訳ではなかったでしょう。1989年の東京のアルバイト情報誌で、コンビニ店員募集の時給は、「570~800円」で、最低時給は最低時給としてあったものの、それよりも高い時給で設定されていたケースが多かったと記憶します。

1980年度の最低賃金トップ10
1位 東京 405円
2位 大阪府 375円
3位 神奈川県 373円
4位 愛知県 364円
5位 千葉県 361円
6位 埼玉県 360円
7位 兵庫県 359円
8位 静岡県 356円
9位 岐阜県 355円
9位 三重県 355円
最下位の38位には、青森、岩手、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄で、318円

1980年、高度成長の後半期、東京と他の大都市圏との差は、わずか30円程。最下位の38位と東京との差は82円。中央と地方も全国的にほどよくバランスが取れた賃金体系だったことがわかります。


AEON長久手店4階 namcoゲームセンター


つい最近、これも長年の問題立ったどちらの親にも子供の親権を認めることになった「離婚後の親権問題」もそうだが、タブーにしてきたことがあからさまになり問題が完全に表面化してきている。最低賃金の全国一律化もまた同じで、そのための準備がさまざまなレベルで成されていくべきである。

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