Connecting the dots of Nagakute City – ジブリと里山、文化と歴史がある長久手のWebメディア

日本一の招き猫ミュージアム訪問 -「となりの瀬戸市」【長久手タイムズ】

瀬戸市駅前から瀬戸川に沿って600mほど。瀬戸蔵を越え、記念橋までくればもうすぐです。
左の白い建物がミュージアムで、右のおもだか家は、招き猫グッズなど多種多様な商品を販売しています。建物の中で通路を通ってミュージアムと行き来できます。


  

「招き猫ミュージアム」には約5,000体もの招き猫が展示されています。「日本招猫倶楽部」の世話役だった坂東寛司・荒川千尋両氏が20年にわたって蒐集してきた個人コレクションを中心に展示する日本最大の招き猫専門ミュージアムです。
日本独特の一つの郷土玩具となった「招き猫」がいつ誕生し、日本全国に広がっていったのでしょう。その土地の風土やお国柄、暮らしの感覚の中でそれぞれに招き猫が育っていった様子が直に伝わってきます。

全国から集められた招き猫が一斉に福を招く、まさに<福と癒しのパワースポット>! 猫好き必見のスポットです。 

前身の「日本招猫倶楽部 招き猫ミュージアム」は、群馬県我妻郡嬬恋村にありましたが、2005年に陶器による招き猫の産地で知られた瀬戸市に移転する運びとなりました。瀬戸市では、1996年から10年近く官民あげて「来る福 招き猫まつり in 瀬戸」を長年開催してきたこともあり、招き猫ミュージアムの移転はても喜ばしいものとなりました。
「招き猫ミュージアム」は、瀬戸市で長年招き猫などの縁起物を作り続けてきた中外陶園が保存管理運営しています。

瀬戸系の「招き猫」: 日本で最初に量産された招き猫

瀬戸市は、明治30年代頃より、磁器食器の量産技術を用いて招き猫の製造がはじまっています。これが日本で最初の量産招き猫のはじまりとされ、瀬戸は「量産招き猫のふるさと」となりました。瀬戸の磁器と同じく、表面の艶やかでなめらかな肌が特徴的。
また招き猫は、昭和40〜50年頃まで国内外で人気のあった「瀬戸ノベルティ」の原点でもあったとのことです。

現在に至るまで瀬戸の招き猫デザインの豊富さ、バリエーションの多さは日本一とのこと。毎年のように若いクリエイターがあらたな斬新なデザインの招き猫をつくり出しています。

愛知県の常滑の招き猫のコーナーです。常滑系の招き猫の特徴は大きな目玉にふっくらした体つき、そして金色の小判を持っていることです。郷土玩具の乙川土人形がルーツと言われています。常滑が招き猫の大量生産を始めたのは戦後の昭和20代後半からでした。海外にも幸福の使者として輸出されています。

招き猫のお寺と言えば東京・世田谷区にある豪徳寺。その昔、彦根城主の井伊直孝公と豪徳寺の和尚さんが飼っていた白猫との伝説がルーツ。かつては浅草や多治見で焼かれ制作されていたが、現在は瀬戸市で生産されています。

大阪・住吉大社楠くん社の珍しい着物姿の招き猫。毎月最初の辰の日に詣でること4年で48体の招き猫が揃い満願成就。明治時代から続く今も大人気の民間信仰です。

九谷焼の絵付けが華やかな招き猫。大人猫の顔つきです。

猫のひなまつり 2024 開催中! ~3/3 まで

一階奥の企画展示スペースにて

猫をモチーフに作家活動をする長久手のひがしりょうこさんの作品も「雛祭りコーナー」にて展示即売会中! 

通路でつながる隣の建物「おもだか家」の雛飾り

招き猫は江戸末期に誕生し日本独特の縁起物として、日本文化の一つとなって庶民に親しまれてきました。
一般的に右手挙げは「金招き」、左手を挙げた猫は「人招き」と言われていますが、思わず猫も気持ちがたかぶって自在になったりします(笑)。

ダルマや福助どうよう、招き猫は日本ならではの縁起物。右手を挙げれば金運を招き、左手を挙げれば客を招くなど様々な意味が込められてきました。

昭和時代に長らく京都で走っていたボンネットバス。1993年に瀬戸市に譲渡された。その後、瀬戸市街地巡りの無料バスとして、観光催時に合わせて活躍。2023年よりかつての瀬戸記念橋駅近くに静態保存展示されています。ミュージアムの手前の建物の焼き物体験スタジオ「STUDIO 894」の裏手にあります。

「涅槃大まねき猫」:「寝る」と「猫」「涅槃」の「ネ」の言葉の源流と意味を掛け合わせてパブリックアートとして創造された。作者は、アーティストの奈良美智氏や村上隆氏、オノ・ヨーコ氏らからオーダーされた造形物を製作しているHISOKA(宮内秘)氏。こちらもミュージアムの手前の建物の焼き物体験スタジオ「STUDIO 894」の裏手にあります

招き猫ミュージアムの手前にあるのは、「磁器の染付け体験」ができる焼き物体験スタジオ「STUDIO 894」です。呉須を含む下絵の具で絵付けした素地を焼成することができ、お持ち帰りできます。
本格的な絵付け技法を職人から学ぶことができるプログラムもあります。

店内の珈琲スタンドでは、東京・三軒茶屋のスペシャルティコーヒーを提供するOBSUCURA COFFEE ROASTERSのこだわり珈琲が飲め、誰でも気楽に立ち寄ってもらえる新たなスポット。招き猫ミュージアムを管理運営する中外陶園の新たな<招き施設>です。

この記事を書いた人

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です