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旧市川家住宅は訪ねておきたい古民家です(となりの日進)【長久手タイムズ】

長久手市は現在、10年にわたって古戦場公園への古民家移築で二転三転していますが、「となりの日進」にある旧市川家住宅(平成25年「国登録有形文化財」登録)を今一度訪れて、古民家について俯瞰的に見るべきかと思いレポートします。

いうまでもなく民俗文化や郷土史といったテーマは、かたくなに自分が暮らしている自治体内で完結していなければならない、といったものではありません。森も川も丘陵も道路も隣の地域と繋がっています。となれば民俗文化や郷土史における古民家は、近隣で優れてカバーされているようなものは、訪れてそれを体験したり、時に連携で相乗効果を生み出したりで良いのではと思います。地域文化資本ですね。
直接的に古民家の運営や企画に関われないという側面もあります。が、移築・補修・整備など数千万円のコストにそれ以降のランニングコストを考えれば、「大局」を見ての判断が必要ではないでしょうか。そんな思いを確信した旧市川家での見聞録です。

元々移築反対派だった佐野新市長の最終判断待ちになっていますが、大詰めを迎えたこの時期に長久手市の「ギカイタイム」に反対派の陳情が載るなど、俵で押しとどまっているような空気が感じられます。これまでの経緯から、表か裏か、右か左かではない中間色の結論になるのでは、と思います。

主屋の左手に庭への出入口があります。庭は開館中は開放されているので寄ってみましょう。

旧市川家住宅は、野方村の庄屋をつとめた市川藤蔵家の住宅で、江戸中期の明和六年(1769年)に植田村(名古屋の天白区)にあった庄屋宅を移築したものと伝えられているそうです。平成の改修整備工事の際に、宝永六年(1709年)の年記がある墨書が発見されています。

家屋の縁側に座れば庭があって、日本家屋の良さがしみじみ感じ取られます。

主屋の立派な入口へ

板の間から奥の間へ

土間から入ってすぐの板の間。湾曲した見事な梁。桃の節句展(2/3〜3/10)の準備がはじまった時期に訪問。

旧市川家住宅は庄屋さんでもあり相当立派な屋敷で、長久手の移築予定の古民家の建築構造の特徴と言われている「鳥居建て」でもあります。しかも長久手の古民家は2本の鳥居柱に梁がある「鳥居建て」ですが、旧市川家の場合は、柱4本を梁でつなぐ「四つ建て」の「鳥居建て」で全体的に迫力がまるで違います。

佐野新市長の最終判断待ちになっていますが、大詰めを迎えたこの時期に長久手市の「ギカイタイム」に反対派の陳情が載るなど、俵で押しとどまっているような空気が感じられます。これまでの経緯から、表か裏か、右か左かではない中間色の結論になるのではと思います。

土間境の柱を含めた柱4本を梁(はり)でつなぐ「四つ立て=鳥居建て」は、尾張地方によく見られた形式が成立する過程を知る上で貴重な事例とされます。

現在もそのまま飯田街道沿いにあります。旧市川家住宅は、野方村の庄屋をつとめた市川藤蔵家の住宅です。昭和7年の写真からは相当に立派な家屋だったことが分かります。飯田街道筋には、現在も消防署や日進市役所が建ってます。

長久手市の移築が話題になる古民家は、市役所の西方、215号線の石田交差点のすぐ近く。「図書館通り」からも30mほど、「文化の家」からもそれほど遠くない場所に立地してます。旧市川家住宅は、現在の日進市からすればローカルな場所にあり、長久手の古民家の方がロケーション的にもむしろ良いのではと思うほどです。駐車場は「文化の家」の駐車場で良いでしょう。そこからわずか2〜3分歩けば到着します。大変なコストをかけてわざわざ移築する必要性が何処にあるのかなと。
「文化の家」、そして「江戸の家」と銘打って新たに散歩コースにすれば新名所の一つになるくらいの気概がなければ、移築してもさあどうか、負の遺産になる可能性すら感じてしまいます。不安を覆すほどの気概や企画、アイデアがあれば良いかも知れませんが。

旧市川家住宅では体験イベントも多く企画されています。
「新年を古民家で過ごそうーお正月飾り展示」「暖房ー昔のあったかグッズ」「地域の集い<おひまち>体験」「ありし日の子供たちー昔の教科書展」「ART SSESION」「くどでご飯を炊こう」「いつの時代も子供が主役ー端午の節句展」「七夕を楽しもうー短冊に願いを込めて」など


旧市川家住宅 住所:日進市野方町東島384番地
休館日:月曜日(祝日の場合は開館。年末年始は休館)/ 連絡先:0561-78-0855

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