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[長久手タイムズ]愛知県下初の女性市長誕生! 風穴が空いた。

長久手市新市長が佐藤有美氏に決定し、愛知県下で女性が初の自治体トップになりました。おめでとうございます! さて今回の市長選は、東海圏の各メディアでも注目され「県下で女性が初の自治体トップに!」と紹介されましたが、すでに何人も自治体トップが活躍する東海4県の岐阜、三重、静岡からしてみれば、「愛知はそうだったんだ、、」というぐらいでしょうか。それでも変化が目に見えるかたちとなったことは、長久手市民のみならず近隣の自治体にも大いに刺激になっているようです。(TOP画像はCBCテレビの報道より)

今回の選挙でおやっと思った点があります。長久手市議会議員を4期連続当選していた佐藤有美氏が、近隣の市町の議員仲間の盛大な応援も受け、圧倒的な強さで1万票近くいくのではと一部で予想する向きもあったのですが(前回、前市長の吉田一平氏は10,693票で再選)、結果的には7,192票。逆に議員経験のない岩岡ひとみ氏が5,442票獲得しています。対して議員5期当選していた佐野尚人氏が、前回の市長選で5,408票を獲得していましたが、今回前回の票から433票落としています。

地元『中日新聞』8月29日付  「草の根運動が実を結んだ」とはなんとも時代がかった表現。本当にそうだったのか。

すでに実態的には、「県下で女性が初の自治体トップに!」といった、男性対女性の戦いは市民のなかではもはや薄れ(かつて町長選に2度出馬した経験がある佐藤候補の選対本部長・大島令子市議は、「時代は変わってきた。かつては女性は議員になってもいいが首長は認めないよといった風潮があった語っていた)、ある意味乗り越えられ、次のステージへと長久手の「空気」が変わっていたのであろう。

というのも、佐藤氏と岩岡氏の2人の女性の票を足すと12,634票で、全体の有効投票数の17,609票、つまり投票者全体の71.7%が女性に投票しているのだ。男女混じった10人の市民がいれば、7人強が女性に投票したことになる。佐野氏推しが男性ばかりだというわけでもないので、佐藤氏が当選後に語ったように「男性、女性という対抗ではなく、市民の皆さんが個人の能力をみて一票を投じてくださった」わけだが、今回の台風の目は議員実績のない岩岡氏が、わずか1,750票まで追い上げていたということではないだろうか。



全国1平均年齢が若い街・長久手市は、どこを歩いても女性と子供たちが多い。そこから陽気で元気で、能力の高い女性たちがたくさん育ち、活動期に入っている。先日の長久手・市が洞の盆踊りと花火大会の進行役も元気な女性で、ダンスし踊る者たちの7割は女性たちでそのエネルギーとパワーはすごいものであった。男性陣は事務局のテントの中で裏方として準備やサポート役に徹していれば一番よくイベントが回っていくという感じであった(言い過ぎ失礼)。地に足をつけて日々活動しているのはもはや女性たちで、市外の会社に行って遅く帰宅する男性陣は土地とのつながりが薄くなっている人もいれば多くは疲れ切っている(人もいる)。風穴が空いた、のではなくすでに空いていて、後は今回の様なタイミングだけだった。


岩岡氏の経営歴(17年に及ぶNPO法人全国福祉美容師養成協会の事務局長)や様々な活動歴(嚥下カフェ・アピアランス(外見)サポートセンター・ながくて大学を含む福祉複合地点「TOTONOU」2022年 長久手市に開設)は、佐藤氏が語るように個人の能力、人間力の高さを物語っている。市民は議員経験の有無は関係なくその部分を評価したと言えるでしょう。岩岡氏は今回市長にならなくとも、活動拠点の充実や市民との繋がりをさらに広め深めて4年後に再挑戦するのもよいでしょう。その時には、濃いネットワークだけでなく活動全体から「空気」をつくり出し、その対価としての「新市長」の声が上がるのではないでしょうか。

今回、唯一の男性だった佐野氏ですが、出馬が一番遅かったことで全てにおいて後塵を拝してしまったかもしれません。その時点で女性候補が二人立ったことは分かっていたので票が2分され財政をジブリの売上1%を呼び込み、「長久手をジブリの世界観で埋め尽くす」というキャッチコピーを掲げるほどで、3人の中で最もロマンチストだったが、女性は決してロマンチストではなくリアリストであるのは分かっていることなので女性にはアピールしなかっただろう。
長久手市議の38%が女性になり、もはや大きなロマンで市政は動かなくなっている。最も佐野氏の高齢者や障害者への長年の福祉の現場経験や子供たちを含めた地域スポーツクラブや放課後子供教室をかたちにしてきた実績は、今年以降も市議としてさらに活かして欲しかったが市議を辞職しての市長選出馬となったので4年後にどのようなかたちで再挑戦されるのか奮起を待ちたいところである。

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