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古戦場公園への古民家の移築について❶【長久手タイムズ】

古民家のある場所は、「文化の家」から図書館通りを北側に降り、石田橋がかかる香流川を渡ってすぐの石田交差点からすぐ(約15m)。Rian長久手店から道路渡って斜め向いを少し奥に入る。

古民家再生協会の評価?!
聞くところによると、全国で古民家の評価を行なう古民家再生協会によれば、「明治〜昭和・平成にかけて長久手の農民の暮らしぶりが証明出来る貴重な資料になると評価」しているらしいですがこの一文は意味不明です。

また同協会の代表理事が目視で評価し、「江戸時代から使用されている部材と、劣化を防ぐために適切な修繕・管理がされており、少なくとも数千万円の価値があるのは明らかという事でした。また、白川郷の合掌造りと同じレベルだと表現され、仮に同じ建物を建てようとするならば、余りにも希少なため不可能とした上で、億単位になるのは間違いないと仰られていました」と語ったとのことです(市議会議員 ささせ順子氏のHPより)。

これはどうも首を捻るしかない評価だと私は思います。白川郷の合掌造りとは建築構造も勿論まったく異なるだけでなく同じレベルで語られるのかどうかか。白川郷の合掌造を持ち出してくるとは噴飯物ではないでしょうか。長久手中心街からも10分で行ける東部丘陵の山中(住所は瀬戸)に実際の合掌造りの建物が昭和時代に飛騨白川村から実際移築されてきたものが直に見えるので(中にも入れます)、よく両建築物を見られるのが良いと思うところです。

長久手から東部里山エリアからクルマで僅か数分のところにある白河郷から移築されてきた「合掌造り」。
ちゃんと内部も見学でき2階にも登れます。

近くレポートします! 

古民家の壁面は補修した部分とかなり以前のもが同時に存在し、色も朽ちて、全体的に侘びてグラフィカルで写真的にはなんとも趣きがあったりしますが、、。

古民家の側面の写真はこれまで出ていなかったはずなので、側面も写して見ました。後ろも写しましたので内部と一緒に近日、掲載します。

隣の日進市に保存されている有名な旧市川家住宅は見ておくべきでしょう。その違いは歴然です。日進市役所や消防署からもほど近い飯田街道沿いにあり、この界隈を散歩していてもこの光景に出会うことになります。

市川家はこの地の庄屋さんだけあって立派な主屋とお庭があります。基本的には「見た目」は江戸時代の民家としては全国的に見て一般的なものとのこと。長久手の古民家とは2つほどグレードが違う気がします。とにかく長久手の方は一般的な農民が長く暮らした貴重な民家ということなので比較はできない部分も勿論ありますが。詳細は近日レポート。

建物は250年程前(江戸時代中期)のもの。それ以前には名古屋の天白区に50年程経っていた当時にこの地に移築されて以降ずっと建っている建築物とのことです。現在、居間で大きな雛壇が準備されている最中でした。

竈門や座敷、縁側だけでなく裏には蔵もありトータルにさすが国登録有形文化財なのです。隣の市の古民家と競い合うこともないでしょうが、あまりの違いに愕然とするのは私だけではないはずです。これまで様々なワークショップの積み重ねや意見交換会、移築後に学生の皆さんやボランティアの方々の参加、さらに調査費、国の補助金や寄付のことなど無碍にできないことも十分承知ではありますが、旧市川家でみるように運営も企画もここまでやらないとせっかくの移築も、話題性をどこまで継続させていけるか。今後、事業費も相当に予測される中、総予算1億円になる可能性も出ています。ランニングコンストも馬鹿になりませんね。

付け加えれば長久手の当時の素朴な暮らしを追体験したりイベントをしたり、宿泊体験をしたりという企画も出てるとのことですが、夕暮れから夜も明るい巨大なAEON長久手店がすぐ隣り、リニモも夜中過ぎまで走っているなか、宿泊体験はなんとも中途半端にならないでしょうか。ならば東部里山の真っ暗な闇の中でこそ思い切って行う価値も高まるのでは(里山移築のアイデアもかつて出ていましたね)。私個人的にはそう考えるのですが。古戦場公園と古民家、複雑方程式はどんな解が出るのか。想像を超えるような新たなヴィジョンも出るかも知れません。

この記事を書いた人
1960年 長久手生まれ。上郷保育園、長久手小学校、長久手中学校へ。菊里高校、青山学院大学英米文学科卒。英字新聞部「青山トロージャン」所属。編集プロダクションのMatsuoka & Associatesにて学び、編集工学研究所入所。 1990年、洋書写真集・美術書をリースするArt Bird Books設立、1992年中目黒駅前に店舗を構える。2009年から代官山蔦屋書店にて主に写真集のブックコンシェルジェとして勤務。2020年、Uターンで地元長久手に戻る。 『Canon Photo Circle』誌の写真集コラムを1年間連載後、「長久手タイムズ」を始動。
コメント (1)
  1. s.katayama より:

    古民家再生協会とは一般社団法人です
    届出さえすれば公序良俗の反しない限り設立可能です。
    どのような事業内容であっても適法である限り、自由です。
    公益性など不問です。
    この団体は古民家を再生することが最初からの目的で建築業者が中心でできた団体です。
    よって当然古民家保護再生が結論となるでしょう。
    そのような団体の評価が公正で権威ある評価と言えるでしょうか。

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