長久手市を訪れる方が、ジブリパークやモリコロパークの次にイメージする「ワード」はあるリサーチによると「自然」とのこと。「愛・地球博」のテーマ「自然の叡智」の記憶や、市東部の里山のイメージが想起されているようです。
今回訪れたのは、市街地のグリーンロード沿いにある「木まま工房」(2014年オープン)です。このクラフトショップは、隣の「木の国・山の国」(森林率日本第2位/県土8割が森林)の岐阜県が誇る「循環の森」で採られた「東濃ひのき」をもちいた木工品や手づくり雑貨が集まっています。
「木まま工房」をプロデュースする中島工務店の本社があるのは東濃中津川市の加子母。じつは長久手合戦で相対した徳川家康と豊臣秀吉はともに東濃の加子母を尾張藩領とし、名古屋城などの城や神社仏閣の建材として重要な場所としていました。
どうやら東濃加子母と長久手は不思議な縁でつながっているようです。
それでは「木まま工房」の木戸をたたいてショップをのぞいてみましょう。
「木まま工房」はグリーンロード沿い、杁ヶ池公園交差点から名古屋方面へ100mの所
一歩店内に入るとヒノキとスギの香りに全身が包まれます。目を閉じると深い森の中にいるかのよう
東濃ヒノキをもちいたミニチュアオブジェ
店内のあちらこちらに東海地方の作家さんが創られた木をもちいた作品が置かれています(購入できます)
東濃ヒノキ丸太!
木まま工房の大人気のアイテムの一つとのこと。
東濃の森林の厳しい環境の中で育ち精油を多く含むため暖かな地域で育ったヒノキよりも香りが高いといいます。
この天然東濃丸太一つで部屋の中は森の香りが仄かに漂います。用い方は人それぞれ。玄関やリヴィング、気にいった場所に置いて楽しむことができます
室町時代から最高品質のひのきの産地として知られてきた東濃・中津川市加子母一体の森林の風景
「木まま工房」をプロデュースする(株)中島工務店はこの東濃の中津川市加子母に本社があり、「木まま工房」の裏手に建つモデルルームでもある「長久手Studio」から日本を代表する東濃ひのきの素晴らしさを発信
東濃中津川市の加子母は、伊勢神宮式年遷宮の御神木をはじめとする御用材伐採が行われることで知られています
豊臣秀吉、徳川家康も城や神社仏閣の建材にと重要視した場所に。江戸時代には尾張徳川藩領土になっています
長久手の「木まま工房」にある木は、御神木などの御用材伐採の山をも見渡せるほどの場所で伐採されたものといってもいいでしょう
画像:神宮 ( ISE JINGU)サイト・式年遷宮の歴史より
伊勢神宮式年遷宮の御神木の御用材
名古屋城本丸御殿の復元建材も
東濃加子母から!
名古屋城本丸御殿の復元や、金閣寺・銀閣寺・姫路城などの修復にも東濃加子母も最高級東濃ひのきが用いられています
画像:名古屋城本丸御殿 名古屋城公式ウェブサイトより
ひのき(檜、桧)が生育するエリアは、日本全土に分布するスギと異なり、北陸・東北・北海道・沖縄では生息せず、関東・中部よりも西日本が中心となります
岐阜県は冬の寒さが厳しく寒暖差が大きいことか、岐阜県産ひのきは時間をかけゆっくりと成長します。
暖かい地域で生息しているひのきと比べ、年輪が細かく精油を多く含んだひのきとなります
掲載画像:林野庁ホームページより(最も濃い色は人工林面積20万ha以上)
ヒノキを鉋で削ったものをボンボンにしたもの。ちょっとしたアイデアが空間を香りと目線を楽しませてくれます
営業時間 10:00~17:00 定休日・水曜 休日不定休 Instagramで確認要
クラフトショップ全面が東濃ひのきと長良すぎでできています。ひのきの香りに全身が包まれます
ヒノキの手作りシャンパングラスを手にする店長・祖父江智乃さん
紙のように薄い「木のカレンダー」と手触りがなんとも心地よいボールペン