去る6月に名古屋千種区堀割町にある古川美術館・為三郎記念館にて、長久手市の愛知県立大学美術科彫刻専攻卒業、同大学大学院彫刻専攻終了後、原風景としての自然の造形物をモチーフに造りつづける彫刻家・森克彦氏の展覧会「彫刻家森克彦展/翼果の帰郷展」が開催されました。展示会期は終了しましたが、為三郎記念の数寄屋造りと作品展示がなんともやさしく共鳴、融合しあった様を、記録画像でお伝えできればとここにその一旦を掲載致します。
森克彦氏は、県芸大を卒業後、愛知県立旭丘高等学校美術科で38年にわたって教職を務めながら精力的に作品を発表されています。今回の展示は、森克彦氏の彫刻作品18点を軸に、森氏に教えを受け同じく彫刻の道をゆく県立旭丘高等学校美術科の卒業生13名の多様な彫刻作品も展示されています。内7名は愛知県立芸術大学・大学院で学び、現在准教授になっている彫刻家もいます。
「偶(たま)さか出逢った木々の声を聴き、一見、脈絡のないそれらを呼び継ぎ、過去の記憶や情景にインスパイアされ、新たな命を吹き込む作業。それは偶然を必然へと昇華させる<よびつぎ(呼び継ぎ)>の作業に他ならなかったことに気づいた。その根幹には常に輪廻観があったように思います」 by 森克彦