瀬戸もの祭りは今年で第93回目、瀬戸に磁器の技術を伝えた磁祖・加藤民吉翁の遺徳をたたえる窯神(かまがみ)神社の祭礼の一つとして1932年(昭和7年)に始まっています。当初世界大恐慌(1929年〜)のあおりを受け、大不況下で積み上がった在庫を廉価で販売する産業祭としての側面もあったとも言われています。
開催場所は名鉄瀬戸線の「尾張瀬戸駅」を起点に、瀬戸川沿いにざっと200軒の出店が居並びます。また瀬戸市内各所でも開催されているとのこと。この「大廉売市」は昔より全国各地からの人出があり全国最大規模と言われています。
開催日は9月14日(土)と15日(日)の二日間。このレポートは記録として掲載致します。私は15日の午後15時頃に訪れています。窯神橋から深川神社方面へ、瀬戸川沿いを中心に練り歩き、せともの祭りならではのお祭りの雰囲気を堪能しました。
瀬戸市民を守護する深川神社への参道。本殿は1823年に建てられています。
尾張瀬戸駅前の窯神橋周辺は15時過ぎてもかなりの人だかり。開催日は土日の二日だけなので、最後まで十人十色、多種多彩の出店に繰り広げられる大廉売品を狙って多くの人が練り歩いてました。皆さん焼き物が大好きですね!
窯神橋ステージは、ラジオサンキューFM84.5センターステージとなって大いに祭りを盛り上げていました。
尾張瀬戸駅近く、瀬戸焼きを扱う商店のシンボル的存在の丸一国府商店(MARUICHI KOKUBU)前。明治5年創業の老舗。
丸一国府商店創業のわずか2年後の昭和7年に、第一回「せともの祭り」が開催されています。
実際には丸一国府商店の営業開始はもう少し前の、明治末、瀬戸電(名鉄瀬戸線)の開通と合わせ、名古屋市東区にある丸一商店の本店の支店として始まっているとのこと。陶磁器卸業が生業だったため、注文が入ったらすぐに瀬戸電を活用し出荷できるよう尾張瀬戸駅前に店を構えたとのことです。商品は日本津々浦々、そして海外へと出荷されていきました。
「せともの大廉売市出店場所案内図」
2017年の「せともの祭」のポスター
深川神社近くの「青の広場」の特設会場