長久手市には、日本三大桜の一つ岐阜県の「根尾谷淡墨桜」から植樹された「淡墨桜二世」が4カ所あります。東部里山エリアに2カ所、中央の岩作エリアに2カ所です。場所によっては石碑があるので確認できます。とくに里山エリアの上郷にある2カ所は、ふつうに散歩しているだけではまず分からない場所で、長久手市民にもあまり知られていないようです。
植樹は1977年(昭和52年)。すでに45年以上が経ち、それぞれが成長し見事な淡墨の桜を咲かせています。
①東部・大草エリア : 谷津の地に咲く「淡墨桜」
淡墨桜は、ソメイヨシノより1週間ほど早く満開になる桜です。
大草地区の大草公会堂の奥に広がる谷津の風景。この地に植樹したのは代々この近隣に住む故・鈴木さんとのことです。植樹された土地もまた昔から鈴木さんの土地となっている穏やかで長閑な場所です。
「日本三大桜」とは、山梨県の「山高神代桜」、岐阜県の「根尾谷薄墨桜」、福島県の「三春滝桜」とされています。どちらも大正時代に制定された「史跡名勝天然記念物保存法」に沿って選ばれ、<国の天然記念物>に指定されています。樹齢が1000年以上、幹回りが9メートル以上などが選定の基準になっています。 長久手への植樹は、1977年(昭和52年)なのでまだ45年程。幹周りはまだ1m50cm程でしょうか。
後に埼玉県の「石戸蒲桜」、静岡県の狩宿の「下馬桜」が加わり、「日本五大桜」とも呼ばれるようになりました。
竹林の小径から谷津へ出ると見えてくる淡墨桜がまた美しい。
天候や陽光の角度によって淡墨桜は、がらりと表情を変えます。
大草の永見寺からさらに奥へと続く田圃沿いの道(大草公会堂の左側の道)を300m程入ったところにあります。シーズンオフになると竹林に混じって淡墨桜がどこにあるのか分かりづらくなります。春だけはすぐに目につきます。
②岩作エリア : 御嶽山入り口、香流川沿いに咲く「淡墨桜」
こちらは岩作の御嶽山参道手前、高根橋を通って香流川を渡り、香流川に沿い左手になります。
左が高根橋、右端に「淡墨桜二世」。江戸時代から明治初期まで、岩作安昌寺から東部上郷地区へ抜ける道は、香流川の手前、高根橋をこちら(御嶽山側)に渡って、「淡墨桜」がある川土手を通ってずっと川沿いの右岸を辿って抜けるルートが長年の道でした。
御嶽山入り口、香流川沿いに咲く「淡墨桜」は、御嶽山の参道手前、高根橋を渡ってすぐ左手に見えます。