「南海トラフ 地震臨時情報」が発出され、特にここ1週間、にわかに緊張感が高まるなか、移動や物資などの運送など「道路」の状況の情報は今後ますます重要視されてくるのは間違いないところ。
皆さん念のためということで長久手市内のスーパーの2リットル入りの飲料水が、どこもかなりの品薄になっていた。が、それもお盆の期間中、万が一巨大地震が発生した場合を想定してであろう(個人的には2020年代は発生しないと思うが)。「災害時物流」の問題について多くの市民も認識してるためであろうことはすぐに推測がつく。
南海トラフ巨大地震発災による最悪のケースの場合、そのエリアには名古屋港をはじめ多くの製油所があるため製油所の原油処理能力は 20%以下にまで低下するという(以下のレポート参照)。内閣府中央防災会議の被害想定でも、「南海トラフ巨大地震」においては、東海地方の製油所は被災から生産は停止する可能性が高いと想定。
長久手も100%クルマ社会であるため道路情報やガソリンのことは学習しておきたい。そしてTOYOTAが能登半島地震の災害支援のため開発した「通れた道マップ」の存在はまだ知らない人はぜひ知っておきたいところです。
画像:TOYOTA「通れた道マップ」から引用
「通れた道マップ」は、令和6年の能登半島地震に伴い公開されたものです。
トヨタのナビ(テレマティクスサービス T-Connect)を搭載している車両から収集された情報がベースになっている。
基本、直近3時間以内、あるいは過去24時間に通行した道が通行実績として色分けされ、日本地図に落とし込まれ表示される仕組みになっています。災害時に被災地の避難、救助のための移動を支援するために開発された。
TOYOTA「通れた道マップ」へ。
画像:TOYOTA「通れた道マップ」から引用
「南海トラフ地震発災時」のガソリン供給ルート
名古屋大学の「減災連携研究センター」の研究員たちによる「南海トラフ巨大地震」を想定した石油製品輸送シナリオについてのレポートがあります。クルマ社会である長久手も被災による道路の陥没や毀損があまりない場合でも、ガソリンが無ければクルマは動かないことは明白(電気自動車も電気供給の問題あり)。それではどんなガソリン輸送シナリオがあるのか研究されています。
「南海トラフ巨大地震」を想定した石油製品輸送シナリオの構築と評価
以下画像は上記レポートからの引用
上記レポートによると、東海エリアがガソリン不足となった場合、北陸(石川県、福井県、富山県に新潟県を含む)と関東から陸路輸送でガソリンが供給される体制づくりがなされているとのこと。北陸から3分の1が供給される。
内閣府中央防災会議の被害想定では、「南海トラフ巨大地震」においては、東海地方の製油所は被災し生産は停止する可能性が高いと想定されている。
名古屋港 出光興産・愛知事務所(1975年創業の愛知製油所)
中部圏やその周辺エリアにエネルギーを供給する基地である
(画像元:出光興産愛知事務所サイトより)