長久手市の東部丘陵から、瀬戸市側に入ったほんのすぐの竹林の中に、なんと世界文化遺産の白川郷の「合掌造りの家屋」が佇んでいます。モリコロパークからもクルマで僅か2〜3分の自然の中です。WOOD DESIGN PARK SETOのパーク内に建っています。
そんな絶好の場所に、日本が世界に誇る見事な「合掌造り」があり、しかも家屋の中まで見れ、2階にも上がれ、縁側に座って憩うこともできる(今年3月頃から1階が和風喫茶となる予定で現在準備中)。
岐阜県の北西部にある白川郷までクルマで4時間はかかるでしょうが、ここなら市内からクルマでわずかに十数分。これはほんと一見(一軒)の価値ありです。今後、長久手東部の里山(TOTONO)を訪れる方には、丘陵の中になりますがまさに必見な場所の一つになるのでは。桜の開花と合わせて訪れると最高でしょう!
360度どこから見ても見事な建築構築物であり、風情漂う景色になります。
家屋の手前にある石碑。「この合掌造りの建物は、岐阜県大野郡白川村鳩ヶ谷に在住中の下方誠一様の住居にして天保年代の建築にかかるものなり。….
一見の家に一族として三十人くらいの男女が住み、結婚できるのは家長と長男の二組だけで、他の者は結婚せずに一生を送るという風習はもう昔物語りにすぎず、隔絶せる世界を感じさせる。….
この建物は昭和三十年代前半に流域の電源開発に伴い湖底に沈む運命となりしため現在地に移築したものである」学校法人山田学園 理事長 山田健市
昭和30年代初期、白川村の電源開発で湖底に沈む運命だった実際の合掌造り家屋が移築されたもの
白川郷の合掌造りが国内外に広く知られるようになったのは、「桂離宮」を世界に紹介したドイツの著名な建築家で建築学者のブルーノ・タウト氏の著作『日本美の再発見』で取り上げたことが大きな契機だったと言われています。
タウト氏は1935年5月に白川郷を訪れ、「この風景は日本的ではない。少なくとも私がこれまで一度も見たことのない景色。これはむしろスイスか、さもなければスイスの幻想だ」と語っています。「合掌造り家屋は建築学上合理的であり、かつ論理的である」という言葉も知られています。
Google Mapでは、目的地が瀬戸総合卸売市場になっていますが、合掌造り家屋のある場所は、瀬戸卸売市場から道路を隔てた反対側の、「WOOD DESIGN PARK」内に建っています。駐車場は、「WOOD DESIGN PARK」の駐車場をご利用できます。
世界文化遺産白川郷・合掌造り
世界文化遺産に登録されている「合掌造り集落」は三箇所あります。最大の合掌造り集落として知られているのが岐阜県・白川郷「荻町集落」。後の2つは富山県・五箇山の「相倉集落」と「菅沼集落」です。
合掌造りの「合掌」とは、まるで掌を合わせたときの形に似ていることから名付けられました。江戸時代中期から造られ、古い家屋で約300年の歴史があるそうです。
家屋の構造はこの地域の気候に合わせて造られています。屋根の構造は冬の大雪対策で急な傾斜になっています。
また日照量の調整をするため南北に面していて夏は涼しく、冬は暖かくと自然に適応した構造です。
1月2月は、合掌造り脇の寒椿が咲き誇ります。
大きな囲炉裏。この囲炉裏でどんなサーヴィスをするか目下検討中とのことです。とても楽しみですね。
春に和風喫茶がオープンしたら縁側でお茶をいただきながらくつろげるかも。
昭和初期頃に使われていたシンガーミシンが何気なく置かれていたりします。
一枚板の見事なテーブル。こちらで今年3月の和風喫茶営業開始後にお茶などを頂くことができます。
霧箪笥も年季が入った風合いになっています。かつて住居人に使われていた箪笥のようです。
次回「合掌造りの家屋」❷では、家屋の2階をレポートします。