Connecting the dots of Nagakute City – ジブリと里山、文化と歴史がある長久手のWebメディア

里山に光る300匹の平家蛍と源氏蛍

長久手東部里山の大草丘陵の奥地。大草公会堂の奥、曹洞宗永見寺さんの右横の小径を通り大草児童公園をさらにまっすぐ、杁ノ洞下池の右手にさらに進んだ所である。香流川沿いの散策コースからは500mほど、丘陵の懐に入るので長久手市民にもあまり知られていない場所だ。そこに蛍が飛び交うということで炭やき紅蓮隊の大御所の隊員に案内してもらった。


左の写真が平家蛍(ヘイケボタル)。右の写真が源氏蛍(ゲンジボタル)。平家蛍は炭やき紅蓮隊の大御所がご自身で養殖し田圃の奥地、水がきれいだということで紅蓮隊の拠点から50mほどの所に幼虫を数年前に放ったという。その数は約300匹。夜になると仄かに光り、あちこちで飛翔しているという。ぜひ夜間に見に来て欲しいと。ただ夜間は真っ暗闇で、灯りが全くない田圃の畔をうねうね通り抜けなくはならない。ゆくゆくのこの地区の整備を待ってがいいかも知れない。

平家蛍と異なり、源氏蛍はもともとこの地に自然に生息する蛍である。長久手には昔から蛍があちこちにいたがその子孫であろう。少し大きな源氏蛍は、平家蛍が棲む場所からさらに奥に入った池の畔。その地はぬかるみもあり、夜間相当恐ろしい場所でまず入ることがためらわれる。その場所も整備されてから入るのがいいだろう。
写真:平家蛍「goo辞書」よる / 「写真:源氏蛍「Gakken こそだてまっぷ」より

放たれた平家蛍の幼虫の天敵がザリガニ。愚連隊の隊員たちはペットボトルを切って簡易的なザリガニ捕獲の仕掛けをつくって小池に沈めている。幾つかを取り出すとまさに小さなザリガニたちがかかっていた。ホタルの幼虫は水中に棲むのだ。
蛍を自然に生育させるには自然環境の条件が必要であるが、同時に自然界の天敵もいるわけで、そうしたところまで目を行き届かせなくればならない。ただ間違いなく愚連隊の隊員たち、そして同場所の他のグループの協力と理解があって近い未来にはそのヴィジョンが現実化していくのではないか。そう思わせるものが彼らの活動とこの場所の特性から感じられた。

Writer
1960年 長久手生まれ。上郷保育園、長久手小学校、長久手中学校へ。菊里高校、青山学院大学英米文学科卒。英字新聞部「青山トロージャン」所属。編集プロダクションのMatsuoka & Associatesにて学び、編集工学研究所入所。 1990年、洋書写真集・美術書をリースするArt Bird Books設立、1992年中目黒駅前に店舗を構える。2009年から代官山蔦屋書店にて主に写真集のブックコンシェルジェとして勤務。2020年、Uターンで地元長久手に戻る。 『Canon Photo Circle』誌の写真集コラムを1年間連載後、「長久手タイムズ」を始動。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です