長久手市には「円空仏」が2体あります。江戸時代前期、円空さん45歳の時、守山の龍泉寺から尾張東部へと遊行した際、長久手村市東部にあった禅寺の前熊寺(ぜんのうじ)を訪れ、華奢な仏像を彫られました
それが「韋駄天立像」と名づけられた円空仏で、このたび長久手市の文化財指定となり記念講演会が催されました(2025年9月20日開催)
前熊寺の「韋駄天立像」の造像は、龍泉寺の重要な3尊形式の馬頭観音像や千体仏、名古屋・荒子観音で彫り出した3メートルを超える圧巻の仁王像の制作の間に、長久手の奥地の禅寺を訪れ彫られたものでした。長久手合戦から約100年が経った頃のことでした
前熊寺の「韋駄天立像」はどんな特徴があるのか、記念講演会を通じてみていきましょう
禅寺曹洞宗 前熊寺(ぜんのうじ)
長久手東部、里山エリアの前熊にあります
裏手近くには香流川が流れています
長久手合戦以前、地元の郷主だった福岡太郎左衛門が両親の菩提を弔うため建立したのが始まりとされます。当初は前熊山和合寺と称されていたそうです
本堂には室町時代に作られた観音像が祀られています
前熊寺がある上郷・前熊エリアの風景 前熊寺はこの写真の左手奥に建つ
前熊寺に納められている円空仏(中央)
円空
寛永9年(1632)〜元禄8年(1695)没
没地は長良川河畔にある岐阜県関市弥勒寺にて
一説に洪水で母を亡くして孤児になり地元(現在の岐阜羽鳥市)の寺院にあずけられたとされる
1671年、大和国・法隆寺にて「法相宗」の血脈を受けている
画像:Wikipediaより 円空像
伊吹山(1,377m)
円空と伊吹山との関係は深く、円空23歳のとき、伊吹山の修験道の拠点であった太平寺に入り修験を重ね、30歳の時に下山したとされます
最初に仏像を彫ったのはその約2年後の32歳の時
円空は伊吹山中の太平寺に身を寄せ、修行に励み、一方で豊かな薬草の知識(伊吹百草)を得て薬師として遊行先で人々に薬草の知識を施したそうです
伊吹山は長久手市内からも眺望できる霊山でもあり、円空がまた少し身近に感じられるのではないでしょうか。
画像:Wikipedia「伊吹山」より
長久手市文化財指定記念講演 2025年9月20日 記録
円空の神仏像数は総数約12万体と言われ、その内5,379体が確認されています
現存数が一番大きい愛知県で3,202体、岐阜県が1,632体、次いで埼玉県の172体、北海道51体、三重県39体、富山県29体、栃木県26体、長野県23体、奈良県19体、青森県18体、東京都と群馬県16体、併せて25都道府県で発見されています
会場は前熊寺からもほど近い長久手市福祉の家2階
記念講演会開始冒頭の様子。会場は満席となり多くの市民、関係者が熱心に聞き入りました
講演会講師は、小野佳代氏 長久手市文化財保護審議会委員、東海学園大学人文学部教授
円空の出生は3つの説がかねてより言われているが、②の岐阜県(美濃国)西濃安八郡中村説が有力とのこと
江戸初期の寛永9年(1632年)生まれなので、長久手合戦から48年後ということになる
霊山で修行していた円空さんは山の神、ご神像も掘っていた
最初の仏像は微笑んでいなかった!
岐阜県郡上市・神明神社に納められている天照大神像(左)が円空が彫った最も初期の像とされている(円空32歳)
35歳から北海道(蝦夷地)に渡り、山の神を鎮めるために像を彫った
龍泉寺の円空仏(円空像)は、「神仏習合」の3体セット
名古屋守山区にある龍泉寺
龍泉寺は小牧・長久手の戦いでは秀吉軍(池田勝入、森長可)が陣を敷いた場所でもあった
円空45歳の時に彫られた龍泉寺のご本尊の馬頭観音を中心に、天照皇太神と熱田大明神
仏像を彫って13年目になり円空らしい勢いのある荒掘りがよくでている像となっている
円空が神様と仏様を3体セットにしていたことは、江戸初期に「神仏習合」が、円空という修行僧からも進められていたことが見て取れる
名古屋市守山区の熱田神宮の奥の院と言われる龍泉寺から、尾張東部の尾張旭、そして長久手東部の永見寺と前熊寺で仏像を彫って日進市岩崎へ至ったルート
前熊寺の円空仏「韋駄天立像」
この度、市指定の文化財となり、市民の文化財として今後も同様に前熊寺で大切に保存管理されることになります
また重要で大切な文化財として、できうる範囲内で公開されるなどの「文化財活用」がなされることになります
拝観においては、前もって前熊寺さまに、拝観の予約を入れておくようにして下さい
連絡先は下記に記します
前熊寺(ぜんのうじ)の円空仏「韋駄天立像」
像本体の高さ:15.8cm
韋駄天像は、禅宗寺院の厨房を守る仏像
台所である庫裡(くり)に祀られてきたとのこと
前熊寺でもまた同じであった
前熊寺にて
前熊寺の円空仏:円空45歳頃の時(1676年頃)につくられた
韋駄天立像のお顔の部分をクローズアップすると(写真右から2番目)、目を飛び出させ目の周辺に皺を出して表情豊かに特徴的なお顔になっていることが見てとれるとのこと。魚鰭状に衣を彫り出し、横から見ると厚みがあまりなく薄いのが特徴
またこの韋駄天立像には約半世紀後に、地震や強風など揺れで倒れないよう特別に17.6cmもある大きな台座がつくられ固定されているとのこと
前熊寺で造像した頃、名古屋・荒子観音寺を訪れ
なんと3メートルもの仁王像をつくっている
円空は長久手村の前熊寺にて韋駄天立像をつくった同じ年(推定)、名古屋中川区にある「荒子観音寺」に行き、なんと円空仏では例外中の例外、檜の大木を彫ってなんと3メートルを超える巨大な仁王像をつくっています。さすがに腕は円空仏では例外的に一木つくりではなく別に彫って取り付けています
荒子観音にある1,200体の小仏像(千面観音像)はこの巨大仁王像を彫った際にでた木切れでつくられました
近隣で円空仏を拝観できる場所はこちら
前熊寺本堂 御本尊は室町時代につくられた観音像
前熊寺(ぜんのうじ)
拝観においては、前もって前熊寺さまに、拝観の予約を入れておくようにして下さい
連絡先:前熊寺 0561-62-0315
住所:愛知県長久手市前熊橋ノ本18
市指定の文化財となり、市民の文化財として今後も同様に前熊寺にて大切に保存管理されることになります
重要で大切な文化財として、できうる範囲内で公開されるなどの「文化財活用」がなされます
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