温暖化による作物の不作と高騰、そして大災害が迫りくる予感のなか、一冊の好著が出版され話題になっています。タイトルは「美味しい雑草図鑑」!
本書の著者であり雑草料理研究家である前田純氏は、「合同会社つむぎて」の共同設立者の一人として、長久手東部の里山の耕作地でも活動しています
万が一、大災害で物流が完全にストップし、食べ物が保存食や備蓄でも足りなくなったらどうするか
前田純氏は、じつは私たちが暮らす身近な場所には<春夏秋冬>の季節ごとに、20〜30種類の栄養価の高い雑草が生えていることを丁寧に教えてくれます
セイヨウタンポポやシロバナタンポポ、春の七草のセリやハハコグサ、ナズナはもちろん、エノコログサ(別名:ネコジャラシ)、オオバコやカタバミ、さらにはセイタカアワダチソウやガマ、ヘビイチゴ、ヨシやススキ、、
そして『美味しい雑草図鑑』では、雑草の見分け方から栄養価や調理のコツや多彩なレシピまでも紹介されています。さらに危険な毒草までも紹介し実践的、実用的な内容になっています
このハンディな書籍を手にぶらり家の周りを散策してみませんか!
日本が近く食料難や複合的大災害に見舞われたとき、1冊の本をリュックに入れるとすれば、このハンディな「おいしい雑草図鑑」は筆頭に挙げられるかもしれない
私たちの家の周りでは季節毎に20~30種類の食べれる「雑草」が生息していて、どんな栄養価があり、どんな調理方法があるのかを教えてくれる
数ヶ月以上、スーパーやコンビニが営業再開できない時、さあどうするか。じつは明治生まれのお婆さんなら暮らしの中で知っていたことを現代の私たちは忘却してしまった
現代生活に染まった私たちが、どこか懐かしい遠い記憶とともに取り戻す知恵と実践的ノウハウが詰まった食のバイブル的図鑑である
扶桑社 : 本体1,500円 + Tax
Amazonで購入する場合
「おいしい雑草図鑑」の使い方
雑草の写真に加え、似た品種との「見分け方のポイント」「生育場所」や「分布」
「おすすめの調理方法」「食用に適した部位」「注目したい栄養素」、さらには「料理のコツ」や「レシピ」が紹介されています
またその雑草が採れる場所毎に、「道端・あぜ」と「野原・畑地」、されあに「荒地・河川敷」「水田・湿地・海岸」。また「林緑・林内」なのかによってパート1〜パート5に章立て
最後のチャプターは「毒草」の見極めです
今後、雑草はここで生き抜くための手段になる!
前田純 氏
「学生時代(京都大学農学研究科農学専攻雑草学研究室)から世界の雑草関係の図鑑や古書を数多く買っていました
図鑑や本だけでなく、様々な雑草や雑草の栄養に関するあらゆる論文もずっと読んできていろんな資料も作っていたんです。もちろん野外調査や採集、雑草の写真もたくさん撮っていました
学生の頃から採集した雑草をもちいて『雑草料理』を作っていたのですが、雑草の料理に関することや雑草の栄養成分について書かれた書籍が無いなと思っていました
あるのは専門的な図鑑かあまりに素人が書いた書籍ばかりで、自分的にはその中間の書籍があればと考えていたんです」(前田純 談)
雑草の「料理レシピ」があったらいいな
「学生時代に『雑草料理』を作っていて、「料理レシピ」があるといいな、と思っていました。そこでプロの料理人の方と組んでその頃から料理レシピを作ってきました。その後、雑草に関するイベントを開いているときに、皆さんからこんな情報やあんな情報が欲しいと言って頂いていました。
今回の書籍はこれまでのそうした情報を一つに纏めたものといえます
イベントも年に20~30回呼ばれて雑草のお話しをさせて頂いてます。中日文化センターや幼稚園などでもお話しさせて頂いています」(前田純 談)
長久手東部のこの丘陵の奥でも、季節ごとに30種類程の美味しい雑草が自然に生えているとのこと
戦前に生きたお婆ちゃんたちは雑草の効用をよく知っていたとのことだが、戦後、見目の良い野菜の栽培法が確立しクセが少ない甘くて美味しい野菜が品種改良で栽培され大量流通されるようになると、雑草はほとんど見向きもされなくなっていった
前田純氏は、雑草は、食料だけでなく、生薬や衣服や染色、雑貨、牧草など、長年にわたって私たち日本人の日常の暮らしの近くに常にあり続けた歴史があると語っています
「スイバ」
海外では野菜として栽培されよく売られているところもあるとのこと。もっと赤くなる穂はサラダを彩り、生でも食べやすくサラダやスープに用いられる。海外では、「Sorrel」という
葉や茎に酸味があって<酸い葉>から雑草名がつけられた
おすすめの調理方「茹でる」「焼く」「炒める」
『おいしい雑草図鑑』より