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旧市川家住宅は訪ねておきたい古民家です(となりの日進)【長久手タイムズ】

元々移築反対派だった佐野新市長の最終判断待ちになっていますが、大詰めを迎えたこの時期に長久手市の「ギカイタイム」に反対派の陳情が載るなど、俵で押しとどまっているような空気が感じられます。これまでの経緯から、表か裏か、右か左かではない中間色の結論になるのでは、と思います。

主屋の左手に庭への出入口があります。庭は開館中は開放されているので寄ってみましょう。

家屋の縁側に座れば庭があって、日本家屋の良さがしみじみ感じ取られます。

主屋の立派な入口へ

板の間から奥の間へ

土間から入ってすぐの板の間。湾曲した見事な梁。桃の節句展(2/3〜3/10)の準備がはじまった時期に訪問。

土間境の柱を含めた柱4本を梁(はり)でつなぐ「四つ立て=鳥居建て」は、尾張地方によく見られた形式が成立する過程を知る上で貴重な事例とされます。

現在もそのまま飯田街道沿いにあります。旧市川家住宅は、野方村の庄屋をつとめた市川藤蔵家の住宅です。昭和7年の写真からは相当に立派な家屋だったことが分かります。飯田街道筋には、現在も消防署や日進市役所が建ってます。

長久手市の移築が話題になる古民家は、市役所の西方、215号線の石田交差点のすぐ近く。「図書館通り」からも30mほど、「文化の家」からもそれほど遠くない場所に立地してます。旧市川家住宅は、現在の日進市からすればローカルな場所にあり、長久手の古民家の方がロケーション的にもむしろ良いのではと思うほどです。駐車場は「文化の家」の駐車場で良いでしょう。そこからわずか2〜3分歩けば到着します。大変なコストをかけてわざわざ移築する必要性が何処にあるのかなと。
「文化の家」、そして「江戸の家」と銘打って新たに散歩コースにすれば新名所の一つになるくらいの気概がなければ、移築してもさあどうか、負の遺産になる可能性すら感じてしまいます。不安を覆すほどの気概や企画、アイデアがあれば良いかも知れませんが。

旧市川家住宅では体験イベントも多く企画されています。
「新年を古民家で過ごそうーお正月飾り展示」「暖房ー昔のあったかグッズ」「地域の集い<おひまち>体験」「ありし日の子供たちー昔の教科書展」「ART SSESION」「くどでご飯を炊こう」「いつの時代も子供が主役ー端午の節句展」「七夕を楽しもうー短冊に願いを込めて」など


旧市川家住宅 住所:日進市野方町東島384番地
休館日:月曜日(祝日の場合は開館。年末年始は休館)/ 連絡先:0561-78-0855

この記事を書いた人
1960年 長久手生まれ。上郷保育園、長久手小学校、長久手中学校へ。菊里高校、青山学院大学英米文学科卒。英字新聞部「青山トロージャン」所属。編集プロダクションのMatsuoka & Associatesにて学び、編集工学研究所入所。 1990年、洋書写真集・美術書をリースするArt Bird Books設立、1992年中目黒駅前に店舗を構える。2009年から代官山蔦屋書店にて主に写真集のブックコンシェルジェとして勤務。2020年、Uターンで地元長久手に戻る。 『Canon Photo Circle』誌の写真集コラムを1年間連載後、「長久手タイムズ」を始動。

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