愛知・東海圏には、東京や大阪よりも幅広くディープな自動車文化がある。それを強烈に認識察せられたのが「ローライダー」というオンリーワンのアメリカンクラシックの改造車をクリエイトしている「パラダイスロード」である。10年程前に名古屋インターチェンジ近くから長久手にほど近い瀬戸市の南部に引っ越してきていた。オーナーは長久手出身の下平淳一氏。
「パラダイスロード」が生み出しているオンリーワンのクルマは、アメリカから1930年代や50年代のクラシックカーを改造したクルマだ。
一歩、1階のカーファクトリー兼ギャラリーに入るとそこはもう異国、南カリフォルニアの郊外にいるような雰囲気に包まれる。
クルマ大国の愛知では、クルマのある風景はとても日常的なのに、ここだけは非日常感が漂う。カスタムカー、カスタムバイクのマニアにとってまさに「パラダイス」。今やその存在は、国内外に轟いている。米国CNNやThe New York Times、英国BBC、「JAPAN Times」までもがわざわざ足を運んで取材するほどだ。
YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2022 第30回記念大会の展示風景。右はこのカスタムカーのシャシーとエンジン。
YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW は、日本最大級のインドア Car & Motorcycle Show。世界中でも注目を集める 熱いMotor Showなのだ。
ファクトリーに入り目に飛び込んでくるメタリックが美しく輝くレトロフューチャーなコンセプトカー。YOKOHAMA第30回記念大会 HOT ROD CUSTOM SHOW 2022 「BEST OF SHOW AUTOMOTIVE」である。外装のクラシック感漂う流線型ボディーにも圧倒されるが、トップの透明ガラスから見える内装がまたとんでもなくアートフルなセンスに満ちている。
2022年に「BEST OF SHOW AUTOMOTIVE」となったクルマだが、ここからさらにフィニッシュするためにディテールの調整が入る。コロナ禍もあったため、塗装(プロ中のプロの叔父さんが担う)、ボディービルドや溶接作業などに念入りに時間をかけることができたという。
以前は専門業者に外注していた部分も、現在はカービルドの90パーセント近くは、下平氏自身が手がけている。こうして世界を驚嘆させるカスタムカーがまた一台、この世に生まれ出るのだ。
ギャラリーと奥のファクトリーがシームレスに繋がっているいる。カーギャラリーにはオーナーの体験や価値観、ヴィジョンがあらわれる。
クルマビルド担当が下平氏、物販を相棒の生井氏が担う。それぞれの強みと専門が生み出したクルマのパラダイス空間である。
現在のパラダイス・ロードのプロジェクトカー「1927 FORD Model T Galaxian(通称ギャラクシアン)」。圧倒的なクリエイティブなカスタム感と存在感だ。東京・横浜でカーイベントがある際には、この「Galaxian」で登場する。
名古屋から東名高速で走行。イベント会場でもひときわ輝く。その全てがパラダイス・ロードの<プロジェクト>なのだ。
同時に、ギャラリー内ではオーダーを受けた7台程が平行してカービルドされている。その全てがパラダイス・ロードの<プロジェクト>なのだ。
これがあの所ジョージも大興奮だったという噂の「 Galaxian」である。座席にはエイリアンが座っている。
Paradise Roadの自家用車。とびっきりのデザインが目を引かないわけがない。
*パラダイスロードさんへの取材は、加藤と中野の二人で行っております。今回、文章は加藤が、写真を中野が担当しました。