「となりのトトロ」に登場するサツキとメイのお父さんは、大学で民俗学を専門にし郷土史や神話や伝説、習俗を研究しているのが書斎の書籍からも推測できます。「トトロ」を見たメイに父親は「森のぬしに会ったんだね」と語りかけているシーンがありましたね。
そんな言葉が自然とこぼれ落ちるような場所が、モリコロパーク・ジブリパークの道を隔てたすぐ近くの森の中に建つ「神明社」です。
住所は、長久手市神門前となっていて、かなり昔からこの森が神の領域だったことが地名からも伝わってきます。
「神明社」は田圃の向こう側、こんもりとした森の中にある。右端に鳥居が見える。その向こう側にモリコロパークの大観覧車が見えます。
猿投グリーンロードができる前までは「神明社」を囲む森と、モリコロパークのある丘陵は地続きにつながっていました。
この一帯にかつて、山神社、八幡社、白山社など8つの社があり神明社で祀られるようになったという。
社号標は「村社」となっているが、まだ長久手村だった時につくられたもの。右奥には地元の人が集う喫茶店「カズ」とリニモの線路が見える。
珍しい石鳥居があります。石造りの八幡鳥居です。江戸時代初期の1662年(寛文二年)のもので県下でも最も古い部類に入るもののようだ。
杉の木立の向こう側に見える大きな建物は、IKEA長久手である。リニモの公園西口駅とは橋で直結している。オープンして6年目。
当時は一帯田圃が広がっていたばかり、町外れでありよくもまあこんな場所に出店を、という感じであったが、名古屋のベットタウンとして人口も増え続け、日本一平均年齢が若い町であり、隣の豊田市、瀬戸市、日進などへもアクセスがよいのでこの場所が選ばれたようだ。
もっともIKEAの創業もスウェーデンの片田舎だったのでむしろ戦略的に田舎を志向するのだろう。
参道は長久手市内でも珍しいほどに鬱蒼とした杉の木立の間に消えるほど奥に続いています。外から見てそれほど深い森ではないとは分かっていても天を突く杉の樹に囲まれると気持ちも垂直になり、非日常感で満たされていきます。
奥に見えるのが二ノ鳥居。針葉樹の杉の木立で陽光も遮られ、空気が一変してくる。さっきまでの日常感覚が削ぎ落とされ何か気配すら感じられるようになる。
石造りの「神路橋」を渡るとに拝殿へ上がる石階段があります。「神明社」の実際の住所は、長久手市神門前であり、この一帯が古くからの神域だったことが全体の空間から伝わってきます。
二ノ鳥居の先の石段の先に拝殿があります。このいちだんと小高い境内の奥に、神明社古墳群があります。拝殿が建つこんもりとした土地は円墳だろうか、本殿のすぐ脇あたりに7世紀前半から半ばにかけての古墳があったことが市の調査で分かっている。
長久手市の歴史は、小牧・長久手の戦いの16世紀より、1,000年も、さらに遥か昔へと遡ることができるのだ。
→ 本殿は、(2)へと続きます。近日公開。