モリコロパークにある「日本庭園」(7ヘクタールもある)には、主庭とは別に趣のある水系が幾つもあります。秋になるとひときわ枯淡な表情を見せるのが、かえで池庭園にある「導入の庭・南庭」です。池の手前から、木造りで造形が自然に溶け込むようで美しい小さなアーチ型の橋とその周りの紅葉を眺望することができますが、池の辺りの小路を渡ってその畔まで向かう人は少ないようです。
愛・地球博が開催されたのが2005年。それから18年が経ち、橋も朽ち、石は苔蒸し、時の経過とともにとても渋い水景となっています。この秋、機会があればぜひ足を運んでみてください。
「導入の庭・南庭」とは、「日本庭園」への導入部を飾る<古今・陰陽>を対比的に見せる庭で、「導入の庭・北庭」と対になっています。北庭はモダンで現代の造形になっています。「日本庭園」全体が、伝統と現代が互いに共鳴し合う構造になっています。
現在、アーチ構造の橋は朽ちて危険なため渡ることはできなくなっていますが、すぐ手前まで行くことはできます。
少し奥にかかっているこちらの橋もまた欄干が朽ちて渡ることはできなくなっています。