長久手市には「長久手市里山基本計画」(2019〜2025年度)が策定されていてこの「里山プラン」がアクションプランとして徐々に推進されようとしています。「里山プラン」に相当する計画対象エリアは、全部で6ヶ所で、その内5ヶ所(「福井・茨ヶ廻間地区」「松杁・東山地区」「岩廻間・北浦地区」「岩作地区」「三ヶ峰地区」)は市の東部にあり、1ヶ所は南部の「長湫南部地区」です。市民協業プロジェクトとして、平成こども塾近くの「木望の森」の試行エリアにつながる「東山地区」が対象エリアとなっています。
2030年代の10年間にかなりの確率で起こるであろうと想定されている「南海トラフ地震」においては、東海エリア、そして名古屋市もまた甚大な被害が予測されています。被害額は2011年3.11の東北大震災の10倍にものぼり日本の太平洋側はかなりの都市・インフラ・社会機能が寸断され麻痺するとされています。
救援物資の運搬はそのあまりに広大なエリアに被害がわたるため事実上、各自治体の自助努力での対応しかなくなります。また関東で首都直下地震が起こった場合も、東海エリアの物流は停滞し大きな混乱が続くと予測されます。どちらの巨大災害が起こったとしても食料自給率が低いまま食料安保対策がほぼなされていない日本では、食料問題は喫緊の課題となっていくでしょう。
里山は、美しい風景を愛でるだけでなく、実際に自然と人間の暮らしと文化が再び深く交わっていくエリアとして、食料が小さいながら循環する場所として市民にしっかりと可視化しておく必要があると思う所です。「長久手市里山基本計画」は、勿論、そうした観点から構想されたものではありませんが、結果的にベクトルは共有される部分も出てくるのではと思います。
近代的大都市の機能が半ば停止する国難に突入した際に、日本人はどのように暮らし生き続けるかそれが大きな課題となってくるでしょう。里山を歩きつつ、長久手からも考えてみたいと思います。
撮影場所は長久手東部の大草の里山エリア
奥にIKEA長久手とモリコロパークの大観覧車が見えます。
IKEAから香流川沿いに遊歩道が続いています。歩き出して5分の所にある大きな樹。
まだ緑の多い10月初旬に行った東部北熊の「福井・茨ヶ廻間地区」
この近くには東海の地元テレビ局CBCの実験的農園もあり、スタッフたちが週末に生育状況を確認しに来たりしています。
今年10月には、この場所は「ながくてアートフェスティバル」の作品展示場所の一つにもなっていました。