県芸大近く、僅か数年前まで、「バス村」と呼ばれたアーティスト達が数人住み込んで作品作りの工房にしていた場所があった。なぜ古いバスがあったかというと、この土地の住人が名古屋市交通局から市バスと大昔のシャチバスを購入し自ら運転してこの場所に置いたことからはじまったといいます。
市(当時は長久手町)サイドからは不法住居であると目を付けられていたらしいが持ち主の住居はすぐ間の前にあり、「俺の目の黒いうちは絶対このままだ!」と突っぱねていたがついに逝去され撤去されてしまった。
知る人ぞ知る「長久手・バス村」の話と記録、そして記憶である。
写真&情報提供 : 松本和之
このバスは、トタン屋根の古屋に横づけされ、古屋とバスが一体となった居住、作品作りの空間になっている。バスはスペシャルな一部屋が追加され、日本でもこれまで存在しなかったであろう光景が出現した。
時が経つとともに、木陰に停車されたバスは次第に周りの木々に覆われていったようだ。暑い日には窓を開け放ち、作品作りをしていたようだ。
この時代のバスはクーラーはまだ無いので、室内が暑くなれば窓の下側を両手で支えるように持って、手動で上に向けて開けていった。なんとも懐かしい窓である。