重層する屋根に望楼がある和風モダンな建築
愛知陶磁美術館の建物は、愛知犬山の森に広大な「明治村」を創り出し、ホテルオークラの設計者として知られる谷口吉郎氏の晩年の傑作建築として知られています
記念式典を待つあいだ。災害対策で整備された本館館内の天井(特定天井脱落対策工事)
高い天井から吊り下がっているのは、ホテルオークラの内装にも用いられた「オークランタン」。館内全ての照明がLED化され、以前ほの暗かったロビーや館内がとても明るく感じられます
ホテルオークラの「オークランタン」
陶磁美術館の設計者でもある建築家・谷口吉郎氏が設計したホテルオークラのロビー(2019年リニューアル)
リニューアル後も内装にも用いられていた「オークランタン」は健在
画像引用:「WWDジャパン」リニューアルしたオオクラを一足早く公開の記事より
記念式典テープカット 大村愛知県知事、陶磁美術館総長、瀬戸市川本市長、丹羽秀樹議員秘書(順不同)
展示の最初の陶磁器・古瀬戸水注の至極の名品「灰釉蕨手文手付水注」(愛知県指定文化財 鎌倉時代14世紀前半制作)
北大路魯山人の旧蔵品で古くからの名品として知られている
「新シュウ蔵品展」の展示コンセプト
「シュウ」は「祝」や「習」「秀」の「シュウ」であり、また「集」「什」「衆」「拾」の「シュウ」でもある
それぞれの「シュウ」をテーマに、蔵品が結集され新たな展示空間と光の中で甦りました
【Renewal Point】各展示室に高級感あふれる新たな規展示ケースが導入され、見やすさが増し、余白がある広がりのある展示空間になっていました。また大切な文化財を保護するために全て空調付き
「免震装置」が取り付けられた大甕
これまでここには何が展示されていたのだろうか
意表を突く展示、セクションも随所に見られ見飽きることのない展示が続きます
「高透過低反射ガラス」が採用された見やすい展示ケースに
【Renewal Point】展示用ガラスケースと照明
展示ケース内の作品がクリアに見える。照明が工夫され撮影の際、展示ガラスへの撮影者の写り込みがほぼ出ないようになっています
ガラス越しの観察時にも、ガラスの存在をあまり感じることなく「現物に近い」色合いを目で触知できるかのように見れるようになっています(全ての展示ケースではないとのこと)
展示ケース内に電子装置が取り付けられており色温度が変更できるように。照明の色の青っぽい感じから黄色まで調整でき作品に最適な光をあてることが可能に
また文化財は陶磁器だけでなく漆や紙も含め湿度・温度管理が要請されるものもあり空調設備付きの展示ケースもあるとのこと
NHK大河ドラマ「べらぼう」に登場する平賀源内の「源内焼」!
展示を巡っていくと、大河ドラマ「べらぼう」でもその才能が描かれている平賀源内に関する展示が
なんと「源内焼」と呼称される一風変わった陶磁器で、平賀源内の指導で四国の讃岐ではじまったという
近年再評価されてきたらしく美術館でもほぼ保有しているところはなく個人の所蔵が多いとのこと。
日本地図や世界地図、絵画の画題や西洋の文字は「源内焼」を象徴する意匠とのこと。博識の平賀源内ならでは
陶芸作家が制作した本館ロビーのトイレの洗面鉢がこれ!
古い建物だったためこれまでの和式トイレから洋式トイレに
本館ロビー1階にあるトイレ
瀬戸市と常滑市の作家が焼いたなんとも味のある洗面鉢(上が女性用トイレ、下が男性用トイレ)
「国際芸術祭あいち2025 灰と薔薇のあいまに」のラッピングバス
陶磁美術館は、今年の秋に「国際芸術祭あいち」の開催場所の一つになっています
(会期:2025年9/13~11/30 / 会場 愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなか
本日が初お披露目となった名鉄バスのラッピングバスが名古屋や瀬戸市内ほかを神出鬼没で走ります