7月12日(日曜)の黄昏れ時、長久手市東部里山エリアで幻想的な山車が引きまわされる「前熊の天王祭り」がもよおされました
前熊多度社(多度神社)に合祀されている津島神社のこのお祭りは、江戸時代初期から400年近い歴史をゆうする伝統の夏祭りです
祭りは新緑の田園に心地よく響きわたる打ち囃子太鼓の音からはじまります
道中には地元も子供が思い思いに描い角行灯(あんどん)が立てられ多度社の参道へとゆっくり向かい、じょじょに古えから伝わる「天王祭り」の非日常空間へと誘われていきます
東部には鎮守の森もここかしこにあり、遠い記憶が呼び覚まされるような幻想的な夏祭りが今日に至るまでもよおされています

夕刻6時15分に前熊の前寺公会堂を出発したお囃子が、手作りの提灯が並ぶ多度社の参道をゆっくり練り歩きだしました
打ち囃しはかつてムラに疫病がはやった時にムラの氏神に奉納したことに始まると伝えられています



道中に立てられた「掛け行灯(カケアンド)」
かつては前熊寺山門前から多度社までの沿道(=天王道)に「掛け行灯」が立てられていたといのことです
長久手東部の上郷の田園地帯を祭り囃子が練り歩きます
田園の中にのびた路がかつての参道の一部になっています
長久手で最も早く開園した上郷保育園は、2020年まで参道の奥、多度社の手前に建てられていました(昭和49年整備)
400年余にわたって地域に継承されてきた地域文化と伝統、共同体の記憶と想いもともに運ばれているようです

前熊の天王祭は伝統的に毎年7月16日でしたが、昨今はその日にちに近い日曜日に開催されています

子供たちを先頭にした祭囃子
昭和50年(1975)に前熊古典芸能保存会が結成され、天王祭りのおりに天王車(山車)とともに氏神に奉納されてきました


子供たちのお囃子が前寺公民館を出発する頃には、多度社の拝殿前では勇壮で華やかな山車(だし)の最終チェックが行われていました

「龍」が刺繍された鮮やかな水引幕。屋根のつくりはとても精緻になっていることがわかります
山車は「名古屋山車」の流れをくむものと推測され、名古屋山車の古い型式を知る上で貴重なものという(『長久手町史 資料編4』)
かつて前熊の山車は近くの前熊寺に解体した状態で保管されていましたが、昭和60年(1985)に多度社境内に専用の倉庫が建てられ組み立てた状態で格納されています。昭和62年に全面的に補修されています


龍は「水神」です / 高欄下に龍の丸掘りの彫刻
山車や町を火災から守るよう祈りを込めて水龍の名がつけられている。
「水神」の象徴である「龍」が山車の各所にあしらわれています

山車の「お天王車(オテンノウグルマ)
昭和58年(1983)に長久手町より「民族文化財」の指定を受けている
[屋根の高さ:4m86cm]

「天王祭」は多度社(多度神社)に古くに合祀された津島神社のお祭りです
先頭の子供たちが手にする行灯に火が灯され、打ち囃子の行列がいよいと多度社の境内へと入ってきました
🟡レポートが長くなるため山車の引き回しなどは別途掲載致します