長久手東部、東小学校や農学校近くに、野菜を自らもいで採ることができる<セルフ収穫>をスタイルにした「いちさん農園」があります。<セルフ収穫>ができる農園は、愛知・岐阜・三重の東海3県で2軒しかないようです。
なぜ<セルフ収穫>か。<小さな子供に野菜を好きになってもらう>というオーナーの一柳典夫さんの思いからだったといいます。
STAY LOCAL & All you need is “LOVE” ! これが一柳典夫さんの掲げるメッセージ
さあ、今日はどんな新鮮な野菜が採れるでしょう!
農園に訪れ、野菜を直接もいで(=セルフ収穫)購入することができる農園は、愛知・岐阜・三重の東海3県で2軒しかないとのことです
オーナーの野菜に対するこだわりだけでなく、お客さまへの想いや関係性、そして自身の人生のフィロソフィーが、三位一体となってはじめて叶うのが「セルフ収穫」というスタイルだとおもわれます
農園の傍らに現在収穫できる品種が掛けられています。常時、「いちさん農園」のInstagramで収穫可能な品種を伝えています
春先から5月、6月になると収穫できる品種が増えてきています
お客さまの9割以上は、小さなお子さんがいるお母さんなんです
オーナーの一柳典夫さん いちさん農園の名は、一柳さんの苗字の「いち」さんからです
「じつのところ最初から<セルフ収穫>のスタイルだった訳じゃないんです。最初の4、5年はすぐ近くの「あぐりん村」に多くを出荷していました(最初の1年は未出荷)。<セルフ収穫>をはじめじょじょに小さなお子さんと一緒に来るお客さまが多くなっていきました。
<小さな子供に野菜を好きになってもらう>という私の最初の思いに近づいてきたんです。そうするとお客さまだけで野菜が無くなってしまうので、それで「あぐりん村」への出荷は取りやめることにして、今の<セルフ収穫>のスタイルになったんです
オープンして10数年たちますが、少しづつ固定客をつくってきました。今では9割5分が小学2、3年生までの子供さんがいるお母さん。うちはそうした客層なんです。連絡手段は、INSTAGRAM(いちさん農園)で、今どんな野菜が収穫できますよとお伝えしています。<セルフ収穫>に興味のある方はぜひお越しいただければ」(一柳典夫さん談)
「小さな子供さんが野菜を好きになってもらうための<セルフ収穫>なんです」
「最初、長久手農学校に通っていました。じつのところ、会社を辞めると同時に運よくこの場所を借りることができたんです。農学校がすぐ近くにあり、農学校で習った野菜づくりをここで試行してました。学んだことをすぐにこの場所で実行することができたんです。
農学校では最初の2年間が基礎コースで、一から野菜づくりを教えてもらって、後の2年は実習で、種を買うことから何を育てるかすべて自分たちで考えてやるというスタイルです。農学校を卒業するまで4年間学び、私の場合、同時にこの場所で研鑽し取り組んできました」(一柳典夫さん談)
43年間、ファッション業界にいて世界や日本国内を飛び回ってました
「農園をはじめる前まではファッション業界に43年間いたんです。最後の23年間は、独立してChum(チャム) Companyのオーナーをしていました。nano universe、Journal Standard、B’2ndさんはじめ、全国のジーンズショップやデパートに出店している専門店さんにも卸していました。テレビドラマには衣装貸出しも長年していました。ウェアのタグは別ブランドのものになったりしていましたが、ジャニーズのメンバーもよく着てもらってました
ヨーロッパと日本でメンズとレディーズのウェアをつくってまして、ヨーロッパとアメリカ、日本中すべての都道府県を飛び回っていましたね。独立した頃はすでに長久手に暮らしていましたが、その間は忙しいこともあって「野菜」のことに関心を向けることはほとんどなかったです。でもどこかで長久手の「農」のある風景をどこかで感じ取っていたかも知れません
アパレルの仕事をいよいよ辞める段になって「農業」ことが頭をよぎりました。決定的なことがあったわけじゃないんですが、妻が小さい頃から「食事」や「野菜」にこだわりをもっていたことと、岐阜の郡上の実家には畑があって小さい頃に野菜づくりを手伝っていた記憶などが背景にあったんでしょうね。で、一気に「農学校」に飛び込んだんです」(一柳典夫さん談)
いちさん農園はこの場所の農園以外にもこの丘陵の奥にタマネギなどを収穫する農園を有しています
「日本の食文化が危険な状態にあると言われるなか、自分の孫に危ない野菜を食べさせれないでしょう。だから小さなお子さんに無農薬で瑞々しい新鮮な野菜を好きになって食べて欲しいんです。僕の思いはそこにあります」(一柳典夫さん談)