長久手市が誇る近藤バラ園(岩作三ケ峯)が今年5月いっぱいをもって閉園します
華麗なバラづくりに捧げたオーナーの近藤隆光さん(69歳)は、40年もの歳月を伴侶と二人三脚で取り組み、もうやり残したことはいっさいないと「長久手タイムズ」のインタビューに忌憚なく語って頂きました
近年も2年前年に開催された「あいち花マルシェ2024」における「あいちフラワーコンテスト」で、近藤さんが大切に育てた格調高い深紅のバラ『サムライ08』が、<ばら・洋花の部>で、最高金賞の<愛知県知事賞>を受賞
5月末まであと2週間、近藤バラ園の最後になるバラ『サムライ08』を直接販売されるとのことです(詳細はレポートの最後に記載)
近藤さんがバラ栽培にかけてきた想いとバラ園の日常、バラ栽培の現状をレポート致します

Kマリアージュ
2023年 近藤バラ園の「サムライ08」が、花マルシェ2024「あいちフラワーコンテスト」のばら・洋花の部で最高金賞である愛知県知事賞受賞

「サムライ08」
近藤バラ園が「あいちフラワーコンテスト」で愛知県知事賞受賞した「サムライ08」は、花弁の巻きが厚く弁質が優れたビロードのような質感の深紅色の大輪のバラです。
長年、バラの代表だった「ローテローゼ」を超える赤バラは存在しなかったのですが今日では、「サムライ08」が赤バラの頂点を極めたバラとして君臨しはじめています
「花の王国あいち」
愛知県は、ばらの生産全国1位
昭和37年から花の産出額全国1位

バラ栽培は古くなんと紀元前12世紀に古代ペルシャで栽培が行われていたという記録がある。19世紀のヨーロッパで本格的に品種改良が進み日本には明治初期に輸入されました
品種としてはヨーロッパ、中近東、北米、中国原産がありなんと日本原産のバラも。世界中で品種改良が行われ毎年新しい品種が生まれているそうです

あいち産のバラの出荷量は全国1位ではありますが、近年アフリカ産(主にケニア)がヨーロッパや北米、そしてアジアにも輸出され出回るようになり状況は一変してきているとのことです

「サムライ08」

近藤隆光さん
近藤バラ園では、10数年程前には最高で15種類のバラ、数年前までも10種類のバラを栽培していました
2026年は最後の年、「サムライ08」と「Kマリアージュ」に限定して育てています
2026年、近藤さんが今年バラ園を辞める理由:
❶年齢面(69歳)❷後継者がいない ❸あまりのコスト高で利益が出る見込みがない
(農家はどこも同じ問題を抱えている)
「じつは私の妻のお父様がバラ農家だったんです。義父は県内ではわりと初期に将来性を見込んでバラをやってみようとバラ農家を立ち上げた人物でした。
愛知県で最も早くバラを栽培し始めた西尾市の現ASAOKA ROSE(バラ園)に、義父は長久手からバラ栽培のノウハウを習いに行ってました。学びに訪れた者の中ではかなり早かったと聞いています。
私はバブルの頃だった20代には建設会社で働いてまして、建設会社は本当にバブルの恩恵を受けまくっていたんです。私らも栄の錦に顔を出していまして、商社に入社したての若い女の子が冬のボーナス100万円だったり今日では信じられない時代でした。私自身も飲食代もタクシー代もすべて会社持ち、ただそんなバブルの絶頂は3年くらいだったかな。
30歳くらいになれば建設会社で忙しく働く中で今後20年後、30年後どんな人生になるのかだいたい想像できてしまってて、結婚を機に会社をあっさり辞めたんです。
それで義父がこの地でやっていたバラの栽培を手伝いはじめたんです。私にとってそれが不思議と自然の流れだったんです」近藤社長

元旦以外364日、朝4時に起きてバラの生育の仕事をします
それがバラの栽培の必須です
夕方は6時か6時半頃まで仕事です


農業用エアコンの温水暖房機
高品質なバラを栽培するには、ハウス内の栽培環境の管理が必須で温度管理が欠かせません
バラ農家は、休日という考えが基本ないんです
うちは40年間、夫婦で旅行に行ったことがないんです (えっ?!)
「元旦の日は休むんですが、それ以外364日はバラの成長を絶えず見守ります。それがバラ栽培の必須、休んだっていいんです。でもそれだけバラは育ちません。うちは愛知県でおそらく一番安い値段で品質の良いバラを出していてお客さんに長く喜んでもらってきたのでやり続けてきたということです。畜産業界と違って、花苗業界、花き業界といった業界にはヘルパー制度はないんです。
朝は大体4時に起きて、4時半か5時にはハウスに行って、夕方は6時か6時半頃まで仕事です。
市場に行くときは、夜10時に起きてバラを積んで市場に持ち込み、深夜の1時くらいに戻り1時半か2時に寝て、2時間後の朝の4時頃には起きて、5時くらいには翌日のバラを摘み取ります。これが週のうち3日続きます。
週3日はショートスリーパーになるので若い人はまず無理なんじゃないかな。私はその流れにもう慣れてますからそれを40年間続けたということです」 近藤社長
冬期(10月から5月上旬までの約7〜8ヶ月)は、ハウス内の温度は18°設定

ハウス内の栽培環境を管理しながら高品質なバラを生産するためには、農業用の大型エアコン(ヒートポンプ)などを導入する必要があります
ちなみにランの設定温度は23°とのことで、コストがかかりすぎランの苗はもはや国内でつくられていないとのこと。大きく育った段階で台湾やアジア諸国から運ばれてくるんです

ハウスの動力用光熱費(燃料+電気)は年々上がって、
ついに1.000万円〜1,200万円に
10年前の2倍、30年前の4倍に!
しかし、バラの単価は30年前と変わらず
もはや利益はほとんど電気代と暖房代に取られるだけ
家庭用電力は補助金が出ますが事業用電力は有無も言わせずどんどん引かれていっています
東日本大震災以降、全国的に自粛ムードとなり売れ行きが落ち、バラの単価がそれ以前より安くなってしまっているとのことです。華美な演出で知られた名古屋の結婚式でも派手なことはやらなくなっています(式自体やらないことも)

愛知県には独特の生花市場があります
近藤社長がつくったばらを持ち込むのは名古屋中区の松原町(大須の商店街の西側)で生花の問屋街で、義父の代から45年にわたってその問屋さんに直接持ち込んでいます。松原町は戦後の闇市に花の問屋さんたちが集まって商売をしてきた長い歴史がある場所です
名古屋には全国の通例と異なり、近年まで生花の中央市場はありませんでした(中央市場ができたのが日本で一番遅かった。現在は名古屋港に近い場所にありますが、基本的は愛知県以外の花屋さんや大手の花農家さんが生花のセリ場があるのでそちらに持ち込んでいます)近藤社長 談

バラに関してはもうほとんどのことはやり切ったかな
今後の予定は今のところありません。何か依頼あれば受けるかも
現在のところ今後の計画や予定はないですが、もし何かこれぞという仕事や依頼があれば受けるかも知れません
ただバラ園の商売としてはこれで終了です
ちなみに朝の3時くらいに来て頂ければ、花を切る前の沢山のバラを見ることができますよ!
4時になれば花は切り採ってしまいます

写真左側の2つのハウスは今後貸し出す予定になっています(現在、募集中とのこと)
近くにある別のハウスはすでに上郷・大草のいちご農園「スマイルベリーズ」さんに貸し出しており、このハウスの裏手の空き地も植物栽培をする方に貸し出しています
同じハウスのようでもいちごのハウスがなぜ運営可能かというと、冬場の設定温度が8°〜10°(場合によって5°)で、バラの冬場の設定温度18°とは雲泥の差で、バラのハウスの動力光熱費が莫大にかかってしまう理由です

「園芸用ではなく専門の厚みのあるマルチの入手が実際に困難になってきています
今、仮に発注したとしても3、4ヶ月待ち。さらに入手できるか確証もないのです
なので知り合いからは、あんたほんと良いタイミングで辞めることになったね、と言われてます」近藤社長 談
近藤バラ園のバラを購入希望欲の方、
5月末までお求めできるとのことです!
電話を入れ予約し、近藤バラ園にて直接受け取りとなります
近藤バラ園:連絡先 0561-62-2381
住所:愛知県長久手市岩作三ケ峯2−103