前回に引き続き、長久手の老舗和菓子店「浅井家製菓舗」さんを取り上げます。
今回は、「和菓子」と日本の伝統的「美意識」と「建築」といった視点からレポートしてみます
「浅井家製菓舗」さんの正面入り口の扉を開け一歩足を踏み入れると、白漆喰と太い柱が生み出すお屋敷の如き佇まいの空間に入り込みます
「和菓子」はその静寂にして間がある簡素な空間と共鳴するかのように整えられ、その艶やかな色彩と形に魅入られます
「和菓子」一つから「旅」がはじまります
今回の”旅の拠点”、「浅井家製菓舗」さんの扉を開けてみましょう!


「浅井家製菓舗」オフィシャルサイトはこちらから

四代目店主・若杉真生さん
「和菓子」に込められた日本の「美意識」
「和菓子」の成り立ちには、「茶の湯文化」「茶道」が深く関係しています
平安〜室町時代以降、日本独自の「茶の湯文化」が立ち上がってくると、その「茶席」にふさわしいお菓子(一口で食べやすく、お茶の苦味を引き立てる甘味)が求められるようになってきたといいます
色金山の毎月の茶会、胡牀庵(こしょうあん)や立礼席での抹茶体験からモリコロパークの日本庭園にある香流亭での抹茶もまた浅井家製菓舗の和菓子が欠かせません

日本独自に発展、進化し「和菓子」となった訳
「和菓子」が後世につながり発展していった条件と背景
❶餅や団子など「粉もの」の伝統と、コメ中心の食文化
❷茶の湯に代表される「おもてなし文化」や独特の美意識
❸四季の移ろいや年中行事を大切にする生活文化
21世紀の現在、コメにまつわる環境変化や、お茶の販売不振、温暖化による季節の乱れが生じ「和菓子」を支えてきた条件がゆらいでいますが、日本文化のDNAがつながる限り「和菓子」文化は後世に伝えられていくに違いありません
「和菓子」を愛でいただくことは、日本の伝統的な
言葉に還元できない「文化的体験」と考えられています

和菓子「川あそび」
四層からなるというなんとも涼しげで店主の心のこもった一品
魚などは型を用いてつくりだすという。川に泳ぐ魚を川の水ごと掬いあげたような遊び心
透明感と冷たさで季節感をあらわす錦玉羹(きんぎょくかん)との見事なコンビネーション



和菓子は「日本文化」の一部として、時を超えて愛され続けています
「餡子」を素材にした「和菓子」は、春・夏・秋・冬の「四季」の風物や古典文学の世界を意匠と菓銘であらわす技は、文化庁の「無形文化財」として登録されています
そして「菓銘」は単なる商品名ではなく、季節感や物語を伝える「ことばの工芸」として文化的価値があると認められています


関西風と関東風の古民家建築を織り交ぜた
吹き抜けがすごい独自の古民家技法!
和菓子屋と伝統的な「建築物」との関係は日本文化の関係性が一つの形となって露出したものといえます
和菓子と和菓子屋の木造の伝統建築は、シンプルさと奥ゆかさにおいて日本の伝統的「美意識」と深い関わりがあると言われています
3代目店主の若杉勝文さんによるとこの木造建築は、ご友人だった建築家の方が「和菓子」を扱う店舗に相応しい空間を拵えたとのこと
市内の大学に通う大学生さんたちが建物の構造を見に来られることがあるとのこと
ほとんど見ることがない建築構造は、関西風と関東風の古民家の木造技法を独自に掛け合わせたものといいます
見上げれば建築デザインにもなっているここにしかない唯一無二の木造建築の骨組みを見ることができます


和菓子店にこれほどまでの建築物が必要なのかというほどの太くて頑丈な梁(はり)桁(けた)や貫(ぬき)をみることができます

湿度や温度に敏感な和菓子ゆえの店舗空間も重要さ
多孔質構造体でもある白漆喰は、室内の湿度変化を緩和し白色のため赤外線を反射してくれます
熱伝導率も比較的低く外気温を和らげる断熱効果があります


直射日光を適度に遮光する窓と柔らかな照明

店舗横にある倉庫 すっきりとした木造建築構造で趣きがあります

「浅井家製菓舗」オフィシャルサイト
住所:長久手市下権田4-1
営業時間, AM 9:00 - PM 6:00 定休日, 水曜日(祝日営業)