モリコロパークのすぐ近くの丘陵に、日本初となる介助犬専門の訓練センター「シンシアの丘」(社会福祉法人 日本介助犬協会)があります
長久手の地で開設したのは「愛・地球博」の4年後の2009年。今年で開所17年目(団体創立30周年)です
ご存知の方も多いかと思いますが、「シンシアの丘」の名は、介助犬の草の根運動や普及活動が花開いた2000年初期に活躍したブラドール・レトリバーの介助犬「シンシア」(全国で3頭目の公的な介助犬)にちなんでいます
「シンシアの丘」では月に一度「見学会」(先着順での申込制)が開催されています
今回、「見学会」に参加させて頂き「見学会」の様子から、施設やヒストリーについて取材させて頂きました
「見学会」では、介助犬について(ほとんどがラブラドール・レトリバーであること)、介助犬協会の成り立ち、介助犬ペアが誕生するまで、病院での動物介在療法について、介助犬訓練の様子、施設見学と、盛りだくさんの情報に接することができ、長久手市内でも見かける介助犬についてあらためて認識することが多くありました
「人にも動物にもやさしく楽しい社会をめざして」を理念に日々犬たちと共にスタッフの皆さんが奮闘されています
「見学会」未体験の方は、機会をみつけて子供さんと一緒に参加してみては!


長久手東部の里山エリアの奥、モリコロパーク手前の丘陵に建つ「シンシアの丘」
住所:愛知県長久手市福井1590-51

「シンシアの丘へ ようこそ!」のメッセージで迎えられると、絵画や手作りボードがあちこちにあるロビーが目の前に
まず見学会の会場がある地下1階へと向かいます


「シンシア」の名前は、日本介助犬協会が最初に育成した「シンシア」に因んで名づけられました
介助犬シンシア(メスのラブラドール・レトリバーです)は、兵庫県宝塚市在住の木村佳友さんの介助犬として活躍しました
木村佳友さんは19
87年にオートバイ事故で首の骨を折り手足が動かせない状態から懸命のリハビリに励んでいた頃、生後50日のシンシアが家にやってきたのが大きな転機に
翌年、東京・八王子にあった介助犬訓練所にシンシアが預けられ介助犬の訓練を受けることになります。そこから日本の介助犬の歴史が大きく動き出して行きました
シンシアの活躍は、身体障害者補助犬法成立のきっかけの一つになっていきます
シンシアが生まれたのは1993年(奈良県磯城郡にて)、その3年後に介助犬の認定を受けます
以下、シンシアにまつわる年表です
1995年 東京・八王子にあったボランティアによる介助犬訓練所
(同年、任意団体介助犬協会に。日本介助犬協会の前身)に
シンシアが預けられ才能が開花する
日本介助犬協会が最初に育成した介助犬となる
1996年 介助犬訓練所で「介助犬」として認定される
(以降、9年間にわたり主人の木村佳友さんの全国364回に及ぶ介助犬普及活動の講演に付き添う)
1999年 介助犬を推進する議員の会発足
2002年 身体障害者補助犬法成立(会長:故 橋本龍太郎元総理)
2004年 社会福祉法人設立(全国介助犬協会)
2005年 シンシア引退
2006年 シンシア没(脾臓にできた腫瘍が死因)
2006年 社会福祉法人日本介助犬協会に名称変更
2008年 長久手の地に介助犬総合訓練センター建設に着手
2009年 介助犬総合訓練センター建設 開所

介助犬の普及活動に大きな貢献をしたシンシアの絵

シンシアの丘開所10周年を記念した絵は、介助犬のユーザーの方が描かれたものとのことです
見学会では、はじめに日本での介助犬の現状や介助犬協会の
ヒストリーが映像や資料と共に紹介されます

シンシアホールにて
介助犬ユーザーの方とオンラインでつながり、日々の暮らしが介助犬のユウちゃんと出会い生活するようになって具体的に生活がどう変化したか心理面まで含めお話を伺いました
近くサントリーホールでのクラシックコンサートがあり、介助犬ユウちゃんと一緒に聴きに行けることになったことをとても楽しみにしているとのことです
介助犬と暮らすようになると毎日が本当に楽しくなります!

見学会で紹介された資料より
「シンシアの丘」では、介助犬の繁殖から、海外の団体や国内の盲導犬協会から
年間15頭から最大30頭程の候補犬(介助犬になる候補の犬)を導入
そしてパピーホームボランティアさんのところで1歳頃まで育ててもらい、「シンシアの丘」までレッスンを受けにきて頂いたり、逆に訪問して候補犬の幼少期教育を積んでいきます(長久手市のパピーホーム募集)
その間に介助犬に適した性格か(適性評価)、病院でのふれあい(Dog Intervention®︎犬による介入)に適した性格かなど見極められていきます
その後、人と介助犬のペアが誕生するまでの数段階の訓練期間があり、その日数が下のパネルに記されています

見学会で紹介された資料より
介助犬としてシンシアの丘から人とマッチングして送り出す犬は、年間1頭から3頭を目標に育成
他に、障がい児や障がい者のおられる家庭に対して犬の個性を丁寧にマッチングをして譲渡をする取り組み(Withyou プロジェクト)もあり、年間3、4頭から7頭が希望されるご家庭に送り出されています
「犬と人とで歩む人生を – 日本介助犬協会」デンソーグループWebハートフルまつり制作動画より
PR犬(イベント担当犬)、登場!



令和7年現在、介助犬としての国内での実働数は未だ56頭、愛知県では3頭だけです
現在、全国で介助犬を潜在的に必要とされる人数は15,000人程と言われています
1頭の介護犬を希望される方に引き渡すまでに250万円〜300万円かかります
多くを寄付金で賄っている現在、なかなか実働数を増やせないのが現状です

2023年、Assistance Dogs Internationalの認可団体に!

Assistance Dogs International(ADI)とは、英国にある世界約30カ国 約150の非営利の補助犬の育成団体で構成される国際連合です
ADIの認可団体となるためには、書類審査を通過し、ADIから派遣される査察官による施設設備から犬たちの様子、トレーニングの様子、合同訓練などの査察を受け、くわえて役職員へのインタビュー、財務・労務等の運営に関わる書類の確認等も含め、協会の全てが査察されるとのこと
認可団体になるには極めてハードルが高く国際基準をクリアした団体として認められました
介助犬協会は海外で開催されるカンファレンスに認可団体として参加したり、諸外国の団体との連携を強化し、より質の高い介助犬の育成を目指していきます
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